※Pixivより転載
※バトルガレッガ二次創作

・・・夜が明けた。

ただ、そこは街のはずなのだが、何もない瓦礫の山と化していた。

その瓦礫の山から、幼い赤子や多くの哀れな生き残りである街の住人がうめき声をあげる。
かつて、年の若い恋人たちや様々な年齢の街の住人が生き生きと平和に暮らしていた頃の面影はない。

・・・読者は気づかれたであろうか?
そう、これは戦争のよって街が破壊された痕なのだ。
そして、それを目撃した二つのーーーまだ若い男の影があった。

これから、筆者がお話するのは、ライジングが製作した不朽の名作STG・バトルガレッガのストーリーに様々な妄想を付け加えた紹介文みたいなものである。
東方やCAVE作品を遊ぶ、若い人たちにどうか、この名作を知ってもらいたい。


「兄さん・・・みた?」
「ああ、見たさ・・・」
「・・・全部僕たちのせいなんだよね?」
「・・・そうかもね」

兄さんと呼ばれた男の名はB(ブライアン)・ウェイン。
その隣にたたずんでいるのが、彼の弟であるJ(ジェイソン)・ウェイン。

彼らの職業は兄弟そろって機械技師であり、勤め先からは天才技師と評されるくらい、機械の製造と扱いには非常に長けている。

「・・・僕、もう耐えられないよ。僕たちの機械が人々を殺すことだけに使われるなんて」

ジェイソンの目には涙がたまっている。よほど、自分たちの作品が戦争に使われるのが堪えるのだろう。
さらには嗚咽も聞こえ始めた。

兄、ブライアンは今にも感情を爆発させそうな弟をなだめるかのように、弟の肩をたたいて彼の感情をなだめた。

「・・・仕方ないさ。僕たちが兵器開発に、あんなに浮かれて、わくわくして、楽しくて、無邪気にならなければ、良かっただけなんだから」

・・・ウェイン兄弟ことブライアンとジェイソンは、父マシュー・ブライアンの幼い頃から影響受けていた。
マシューは昔から田舎の町工場で、当時としては目新しい様々なものを作っていたらしい。その父の背中を見て育ったのなら、この兄弟の天才性というものも、どうやって培われたかわかるだろうか。

やがて成長し、父のやることと同じことをやるようになってから、兄弟は町工場の時代ーー青春時代から常に、田舎町の注目を浴びていた。

23歳くらいになってから、そんな毎日に変化が訪れる。
大陸の大部分を統治する連邦国家に「兵器開発主任」として、スカウトされたのだ。

兄弟はこれ以上喜ぶのは、生まれて初めてというほど、狂喜した。
兄は自分もだが、それより弟が「僕たちの腕が認められたんだね!」と笑顔で大喜びしているのを未だに覚えている。

そのくらい人生で一、二を争うくらい、素敵で喜ばしいことだった。

そして、いざ開発主任となると、兄弟は兵器開発を楽しみながら、そろって競いあい、それぞれの個性を生かすような、神懸かり的なデザインと性能の兵器群を生み出した。

ノーズラフィン、マッドボール、(三面ボス)(四面ボス)(五面ボス)
(六面ボス)etc・・・。

どれもが、当時としては最先端かつ最強の兵器であり、
スカウト先の連邦国家も彼ら兄弟の仕事に大いに満足していた。


「兄さん」
「なんだ、ジェイじゃないか」
「ブラックハートのことなんだけど」
「ああ、あの子のことか」

兄の発した「あの子」、弟の発した「ブラックハート」。もちろん、人ではない。れっきとした兵器だ。

「兄さん、あのメモ、捨てよう?僕は本当にあの子が嫌いなんだ。すでにアイディアの段階で」
「ああ、ジェイ。僕も結構、あの子の性能は、マズイというか、なんというか、`ヤバイ’と思うんだ。」

兄弟はブラックハートのアイディアをメモにまとめた段階で、封印しようとした。
もし、あのアイディアが連邦国家に知れ渡り、実際に製造され兵器として実用化されたら、ものすごくヒドいことになる・・・。

そのことを兄弟は技術者のカンでわかっていた。

「そうだね。なら、今ここで破こう」
「・・・ジェイ待て、大尉さんが現場に偵察にきたぞ」

連邦国家軍本部大尉。
白い肌で金髪オールバックの、軍服を着た中年男子が声をかけてきた。ウェイン兄弟にとっては、時々ここに偵察にくるので、知り合いのようなものであり、それなりに親交があった。

「・・・ウェイン兄弟か。仕事は順調かね」
「はい、あなた方の資金のおかげで、とても開発しやすい状況にあります。資金提供本当にありがとうございます。」
「そうか、・・・さて、弟の持っているものは何だ?」
「い、いえ!何でもないです!ただ、いまゴミ箱に捨てようと思っていた紙屑です!」

ジェイソンは急に逃げようとするが、大尉に回り込まれてしまう。

「ちょっと見せてみなさい」
そういって大尉は、ジェイソンから「あの子」のアイディアがかかれたメモ書きをみた。

「だから、返してくださいよ~」
「だめだ。それにしても、しかし、すばらしいじゃないか。こんな美しいフォルム、高性能な兵器デザインの・・・ヌメリコフ?いや、ブラックハートをお蔵入りにしては。この連邦国家及びその本部大尉である私が預かっておく。いいな?」

「や、やめてくださいよ~」
「兄弟!今日はここまでだ!またブラックハートのアイディアのような兵器のアイディアがあるなら、ちゃんと設計図を作って連邦国家に差し出すように!」

「・・・・・・・。兄さん」
「なんだ?」
「僕たちの開発部なんて本当にプライバシー筒抜けだよね」
「そうだね。・・・連邦国家って意外と汚いな。」
「僕もそう思う」

やがて、連邦国家対周辺国家の大陸戦争が始まった。
ウェイン兄弟は自分たちの兵器が戦争に使われることは
、ちゃんとわかっていたが、それがどう使われ、どう戦争に投入されるのかが、よくわかっていなかった。
だから、競いあってまで、楽しくのんきに、兵器開発などということを続けられてきたのだが。

そんなある日、

「連邦国家から逃げよう」
ブライアンはそう、弟に提案した。
「え、・・・なんで?」
「僕はみたんだ。開発した兵器が空を飛んでいったところを、そしてその兵器が遠くの街を爆撃していったところを」
「・・・・・・」

唐突に現実を打ち明けた兄の言葉に、弟は何も言葉がでなかった。

「僕たちは間違っていたんだ。あの連邦国家に騙されたんだ。何もわからない愚かで無知な僕たちをこき使って、人を殺戮するための機械を作らされていただけだ」

「兄さん、俺たちは本当にバカなことをしたというの?
機械は何も悪くないよ?僕たちの作った機械を悪用した連邦国家が悪いだけで、機械を作った僕たちの所為じゃないと思うよ?」
「・・・いや。機械は僕たちが作ったんだ。完全に、僕たちの責任だよ」
「・・・・・・・・・・・・そ、そんな・・・・・」

ジェイソンはその場に土下座するように手を地面に突き、うなだれた。

兄であるブライアンは、弟が鬱スレスレなほど、もともと内気で、性格が暗く人一倍メンタル面が弱いことを知っていたが、まだ人生の黎明期とも言える青春の頃から、常に行動をともにしたーーー同じ血統と深い絆で結ばれた弟の、ここまで心を深く傷つけた場面は見たことがなかった。

「・・・大丈夫?」
「兄さん・・・僕は大丈夫だよ・・・・・」
「・・・・・・ジェイ、・・・・・・顔は今にも泣きそうだけど、・・・・・・本当に大丈夫なのか?」
「・・・大丈夫」

弟は、本当に心が弱い。彼は昔から泣き虫で、笑い上戸だった。だから感情に左右されやすい。

彼の兄であるブライアンは、いつもそんな弟の支えだった。別に特別頼りがいがあるわけではない。もちろん特別、兄としての立場に適しているわけではない。

ーーーだけれども、弟にとって、大事な兄だった。
ずっと、かけがえのない家族。

今は好きな彼女もいないけど、いつかきっと伴侶が現れても、「ジェイ」こと弟は、本当は自立しなければいけないのだけれども、兄が影で支えてくれると信じている。
そのくらい、弟にとって兄は心の支えだった。

「ほら、」

ブライアンが手をさしのべてくれる。
心が強くなるまで、ジェイソンは、兄離れできないし、
ブラザーコンプレックスをやめられないかもしれないけれど。

それでも。

「ありがとう。兄さん・・・・・」

そうやって兄弟の逃避行が始まった。

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なにもない荒野。そこには自然があって、人が切り開いて、街を作ったという歴史が消え去った後。

「「・・・・・・・」」

ーなんて僕たちは罪深いことをしたんだろう?

それはもともと暗い性格の兄弟にとって、今までも、これからも含めて人生最大の罪悪感。

・・・いや、最大の魂が背負う業(カルマ)。

そして、

絶対に絶対に、戦争なんてダメだ。
そういいきれない己の甘さ。

開発・製造した機械達が人を大量に殺戮しているという現実。

その二つが重なりあって、ダークで重苦しい空気と沈黙を形成する。

そして、太陽が彼らを照らし、
破られた長い長い沈黙の中で、ウェイン兄弟は決意した。

必ず、僕達の罪は僕達が・・・・・・償う。

兄であるブライアンは、
田舎にしては、あまりにも広い工場のただ広い倉庫を開けて、そこにいる無機質な鋼鉄生命体に出撃の機会を与えてやる。

その鋼鉄生命体とは・・・・・・。
天才機械技師としての、最後にして史上最高傑作ーーーーガレッガシリーズ。

それは、たった四機の爆撃戦闘機。

一号機・シルバーソード、
二号機・グラスホッパー、
三号機・フライングバロン、
四号機・ワイルドスネイルーーーー

その中でも、ワイルドスネイルの「ゴールデンバット」は
攻撃力も貫通力もあり、兄弟の切り札として用意された。

ブライアンはシルバーソードに、ジェイソンはワイルドスネイルにのり、二人だけでの反逆が始まった。

「連邦国家め、今に見ていろ」

ーーーーーさあ、出撃だ。