※pixivより転載
※バトルガレッガ二次創作
・前文・
【バトルガレッガとは~What's a 「BATTLE GAREGGA」?】
未だ科学が人類に幸福をもたらすと考えられていた時代。男が男らしく、女が女らしく暮らしていくのに、なんの抵抗も無かった時代を舞台に、機械技師のウェイン兄弟が連邦国家に対し戦いを挑む縦スクロールシューティングゲームです。
いつの時代だろうか?どこの世界だろうか?吸血鬼と波紋使いとその子孫たちが奇妙な冒険を開始した時代?深い深い山奥で、楽園と俗世を区切るための大結界が引かれた時代?中華大陸で偉大なる厨師達が『料理戦争』をしていた時代?人斬りが不殺を誓った時代?あるいは誰かの見た夢か?とある賢者の作り上げた寓話か?
もしかして、飽くなき知的好奇心をもっていても、たどり着けない、答えを得ることができないのだろうか?
それとも、名も無き場所(No where:どこにもない)か?あるいは我々のいる所か(Now here:今ここ)?
…一体。いつの、どこの世界なのだろう?
光速というほどの速度で内燃機関が、ここまでの高度を誇る技術に達した時代というのは…。
と、同時に西洋の人類が、思い上がりと夜郎自大とをここまで極めたのは…。
操作は1レバー3ボタン。レバーで移動、ボタン1でショット攻撃、ボタン2でスペシャルウエポンの発射、3ボタンでオプションのフォーメーションを変えることが出来ます。敵や地上物を破壊すると出現するボーナスアイテムは、逃さずに取ることで得点が上がっていき、いかに効率よく取得するかが重要なポイントとなっています。
Aボタンのショットは、セミオートが利き基本連射装置はいらない(むしろシンクロ30連装置は危険)が、敵を打ち外し、画面外へと出してしまえば、確実にランクは上がるが、そんな悠長に気にはしていられない。いずれにしろ、序盤のうちは、無駄撃ちはやめておいたほうが良い。また、オプションをつけていれば、自動的にショットと同じよう発射される。
Bボタンのスペシャルウエポンは、偉大なる東亜プランが作り上げた武装・ボムやボンバーではない。
東方諸作品に搭載されている同様の武装、スペカや霊撃でもない。たしかに、敵弾を消す効果はあるが、無敵時間は一切なく、発動も遅い。緊急回避には向かない。実際、攻撃方面で使うことが非常に多い。
この点もボム・ボンバーシステムとはちがうが、残量や個数はストック制であり、ボムチップ(大・小)というアイテムを集めて補充する。全機体共通して最大で、大ボム5発分までストック可能。
Cボタンのフォーメーション切り替えは、ノーマル→バック→フロント→ラウンド→トレース→ノーマルの順に切り替わる。隠しフォーメーションから通常フォーメーションに戻す時にも使う。
ボーナスアイテムは、我々の界隈では『勲章』と呼ばれている。それの特徴として、百点から一万点へと成長する。
特定の条件を満たせば、大量に出てくる。当然、成長させることや集めることに夢中になった。
必死で育てた一万点勲章は武功の香りがした。ただし、無差別殺戮と裏表の武功…。
それを嘲り、否定するかのように、ランクが上がると高速で落ち始める。こちらも必死で集める。
射幸心と言うのは、何処までも果てまでも、恐ろしいモノだ。魅惑的なエサで以って、誘蛾灯へと誘う。
そして、後に残ったのは、いつも虚無感だった。
…でも、楽しい。どうせ、無意識と原始的な心は快楽には逆らえない。だから。
快と不快の法則が、岩よりも不動のヒトをも突き動かす。一つの精神に二つの原理がせめぎ合う。
抑圧された快楽は、やがて根深い怒りになる。一番の不自然と背理はそれだというのに…。
ポジティブをネガティブに、ネガティブをポジティブに、何事も逆に考えて、そう捉える風習が、賢いはずの愚か者を絞首刑にする。全ては思考から始まる。そうでなかったことは一度もない…。かつて一度も。
Are you ready? Ok! Good Luck!
【プロローグ~Revelion.】
―自ら作り出した最強兵器… それは今、最大の敵となった。
まだ煙の立ち昇る廃墟に、二人の男が立ち尽くしていた。
かつて、人々が集い、恋人たちが愛を語り合ったその場所も、今は瓦礫の山と化している。
二人は苦悩した。『技術者』として幾つもの兵器開発に携わってきた日々がこんな結果を生み出すとは考えもしなかったのだ。
自分達の生み出した兵器たちが成し遂げたあまりに効果的な『仕事』の成果を目にして、二人は完全に逃げ場を失ったことを感じていた。
そして、今エンジンが高らかにうなりを上げる。
自らのまいた種をその手で刈り取るために。それが正義のためだとは考えていない。やるべきことを行う。それだけだ。
二度と還れぬと知りながら、何も言葉を交わすことなく空を見上げる、兄弟は心に不思議な静寂が満たされていくのを感じていた。
―以上、バトルガレッガ・ストーリーパンフレットver。
多くの人の夢と希望のもと人々は、平和にくらしていた。…しかし!その平和もつかの間。
俺達兄弟の連邦国家で製作した作品が、兵器として人々を戦争へと巻き込み始めた。
連邦は、周辺国への侵略や大陸統一への戦争をしたいがために、将来有望な若き技師である俺達兄弟をスカウトし、自陣へと引き込んだのだ。あまりにも莫大な資金と充実感の元、俺達兄弟は効率良く仕事をこなす兵器開発にいそしんだが、その犠牲になるのは、やはり貧しくも悲しい無辜の民だった。結局のところ、彼等に彼女等は、瓦礫の下で身動きがとれず、死に絶えていく。一瞬を生きる為の、一片のパンすら与えられず…。
あぁ誰かが…。この地獄から助けてくれる事を『僕達』は、待っていたんだ。
【プレイヤーセレクト~4:71AM】
「連邦」の次期主力戦闘機として開発されたのが「ガレッガシリーズ(開発コードG)」。ウェイン兄弟の最高傑作にして最後の作品である。
俺達兄弟は、ガレッガシリーズのことを、自分自身の実子達だと思っている。
いいや、ウェイン兄弟の投影なのだ。擬人化するとき『彼等』を通じて、僕達兄弟は日常気が付かない様々な側面、同じく意外な気質があることを思い知らされた。「ガレッガシリーズは僕達兄弟の、実に鏡写しだ」とジェイもよく、僕や他の人にもその驚きを伝える。
たとえば、一号機から四号機までを順に見ていくと、
シルバーソードは、毅然と刀を身構える『武士の如く勤勉で気真面目な性格』を。
グラスホッパーは、ちょっと、『クールでニヒルな軍人のダンディズム』を。
フライングバロンは、道(タオ)に生きる、『天衣無縫で天真爛漫な神仙』のような一面を。
ワイルドスネイルは、『未完成』と言う名を持つ完成度の高さを。そして、『何事も貫き穿つ信念』を。
…こうしてみると、僕達兄弟は『彼等』と一心同体なのだろう。どこまでも。
G-1010 戦闘攻撃機 「シルバーソード」
機動性、攻撃力共にバランスの取れた機体。機首に18ミリ機関砲4門を装備している。なお、Gシリーズの4機体には、それぞれ装備品の違いによる4つのバリエーションが存在する。G-1010には他に「キャノンボール」「マサムネ」「シャッタースター」と名付けられたタイプが存在する。
G-130 陸上戦闘迎撃機 「グラスホッパー」
機首に14ミリ回転式機関砲2門を装備し対陸上兵器用として開発された機体である。バリエーションは「レインフォーサー」「DGRオクトーバー」「ダイビングフォックス」がある。
G-1026 軽艦上戦闘機 「フライングバロン」
攻撃力としてはいささか貧弱な16ミリ機関砲2門を備えているにすぎないが、機動性、運動性に優れた機体である。「ストーミーオーメン」「レッドインパルス」「ブラックツエッペリン」がバリエーション。
G-913 重艦上雷撃機 「ワイルドスネイル」
機体上部に強力な30ミリ機関砲4門を装備した重戦闘機。しかし、今だ未完成の機体でもある。「アイアンマッケレル」「ロストチャンピオン」「ゴールデンバット」のバリエーションの内、「ゴールデンバット」がもっとも操縦性に優れているようだ。
…、さて。僕達の命を委ねる我が子を選ぶ。悩むな…。いや、悩まない方がアレなのだが。
まず、ガレッガシリーズで一番最強のワイルドスネイルの派生種『ゴールデンバット』へジェイに搭乗してもらう。
兄貴が死んでも弟が生きていればいい。そういうのは、歴史上類がありすぎるからな。…それに大概、弟の方が優秀なんだし…。
実際、あの優秀なオプション、『G‐SHOT』は弟ジェイが製作したんだし…。ああぁ、ダメだ。自分を否定しているようで、体が苦しくなる。…やはり、兄貴は弟には勝てないのだろうか。
結局、俺は一番オーソドックスな『シルバーソード』に搭乗することにした。
耐久力と攻撃力は及第点だが、中途半端だ。だが、少々グラスホッパーやフライングバロンより高性能であるので、きっと…。
まぁ、戦争は何時戦死してもおかしくない。…いや、でも…。
やはり、シルバーソードにしよう。運命は自分で決めるんだモンな…。
【…Wayne Brothers'll Shoot and Beat the Federation.】
1面 「VALLEY~Fly to the leaden sky.」
鉱山地帯に建設された連邦の秘密工場地帯を強襲する。ウェイン兄弟もここの工場で設計作業などを行っていた、いわくつきの場所でもある。
「兄貴、この場所はなつかしいな…。」
古いおもちゃのように時代がかったゴンドラや固定クレーンがみえる。その下には、近辺諸国に見つからぬよう秘密裏に作られた工場地帯。なんと『幻想的な現実(Phantasic Reality)』なのだろうか。
そのように、かつて楽しく働いて、いつも充実していた毎日を送っていた職場が、目下に見えた。
でも、今は。戦争――その無意味な行為だけに使う兵器開発、という汚れた毎日を過ごした、嫌悪するほど苦い思いしか蘇らない場所だった…。
一刻も早く、そういう思い出は清く漱がねば…。そうしないと、心が締め付けられる。ほうっておくと、徐々に俺が絞り殺される。
…。…どうしてだろう。
俺たち兄弟は、機械のことが心から好きだった。どんな運命の恋人が現れても、それが揺らぐことが無いくらいに。
そんなに『わが子』を愛する俺たちでも、兄弟姉妹同然の人間を抹消するような兵器なら、必ずどんなに躊躇しても、葬らなければいけない、ということだけはわかった。でも、ダメだ…。
どうしても、俺は…。やっぱり、俺たち『ウェイン兄弟という名の元凶』が、今死んだほうが…、よっぽど償いになるんじゃないのか…?
「ジェイ。それは、俺だってわかるモンだ。…愛はつらいな。憎しみよりも時に強く響く。多分、それが生きているという…、証明なのだろう。」
俺の緊張をほぐすように、敬意を表し、親愛してやまない兄貴が通信を送る。
モールス記号は至極無機質だが、兄貴の優しくも暖かい思いは、ちゃんと俺に、じんわりと伝わる。
「…兄貴。俺たち兄弟は、どうすればいいのだろう。たとえ、この戦争に勝利したとしても、その全てを償うどころか、罪を重ね続けたことになってしまう…。」
「…ジェイ。俺達兄弟が天寿を全うするくらい、彼等の分も生きれば、きっとそれは十分償いになる…、と俺は思う。だから、ジェイもそういう気持ちを持っていてくれ。」
「ありがとよ…、兄貴。」
なぜ、こんなにも暖かいのだろう…?内燃機関だろうと、暖房だろうと、そういう機械の熱では決して出せない、兄貴の優しい温もり。…それより、こんなにも対照的に冷たい無機質な戦争なのだろう。心身の中心から、凍えてしまいそうだ。
嗚呼、平和だけが、穏やかな毎日だけが、こういう温もりをもたらすんだろうな…。
「あ、ノーズラフィン…。」
そう、一時の思いに耽るその時、兄貴が『過去の遺物』を発見した。
ボスは「MD-113 ノーズラフィン」今となってはいささか時代遅れとなってしまってはいるが、安定性を利用して機体背面に装備されている大型砲台の攻撃力は侮れない。~Stab and Stomp!
「あぁ、ノーズラフィン…。一番初めに製作した思い出の作品…。でも、スクラップにしなければ…。」
「兄貴…。」
僕、いや俺は、機械技師兼パイロットとしての側面抜きでも、兄貴を心から尊敬している。
兄貴がいなければ、俺はいない。確固として、そう断言できる。実際、俺達兄弟二人で協力して
、作り上げ、そして、連邦に認められた記念すべき航空機だ。
「ふっ、そうか…。ジェイ…、連邦は俺達兄弟を、本気で裏切り者扱いしているようだな…。」
「…そうとしか思えないよな」
俺たち兄弟を屠るためなら、一切手を抜かないつもりか。しかも、万や千と言う数の大群ではなく、たった二人のために…。
なんてことだ。…あぁ、当たり前か。相手はのっけから容赦が無い。人とは思えないほど、無さ過ぎる。
殺したいのか?『裏切り者』を?消したいのか?『危険分子』を?
一体、ヤツらは何を考えている?
ついつい最近まで、誉め倒してまで、賞賛を浴びせてまで、兵器開発主任としてあせくせ働かせていたのにな…。
「手のひらを返す、ということは、こういうことか…。」
「それにしても…。」
ノーズラフィンは、確かに旧型だが、あの連邦は俺たちが当初製作した機体より、大幅にパワーアップと改良を施している。
あの大型砲台なんて、設計と製作したときには、全くふつうの装備だった。しかも、砲台をグルグル動かす、回転機能なんぞついていない。じゃぁ、ありゃーなんだろう?…そうか、あれはまさに、夢のまた夢『ドリーム砲台』。わぁい。
「ったく…。連邦はどこまでも…。」
「俺達兄弟に似て…。ヲタク気質だ…。」
さて、俺達兄弟は、ノーズラフィンの撃墜に向かう。
いくら連邦が強化を施そうが、弱点は変わらない。両翼は異様に頑丈だが、中心の胴体はフライングバロンと同等なくらい脆い。
だから、『ドリーム砲台』を取り付けたのだろう。弱点を狙う敵を、優先的に狙撃するために。
「ジェイ、貫通弾頼むよ。俺が囮になって、ヤツを引き付けるからな」
「OK。」
ドリーム砲台の囮を、シルバーソードと兄貴に任せ、俺は攻撃に専念する。そうして、
そうこうしないうちに、ゴールデンバットの強力無比な貫通弾で、あっという間にノーズラフィンは撃墜されてしまった。
「あぁ、これが戦争なのか。それにラフィン…。」
「人命の心配より、ただの機械でしかないラフィンの心配をしているなんて、そう言っている割には、戦争がなんなのか、わかってないな。ジェイ。…でも、さぁて、連邦へ進軍しようか…。」
2面 「PLATEAU~Underwater Rampart.」
美しい湖と森に囲まれた高山都市。そこも連邦の攻撃により、もはや壊滅状態となっている。
おぉ。なんて、風遼明媚な高原地帯なんだろう。それはそれは、大陸中の王侯貴族がこぞってリゾート地への旅行先に指定するのが、当然なくらいに。俺も正直、ここでバカンスを過ごしたいと思った。…無論、この戦争が終わったらの話だが…。
「兄貴。なぜこんなところに、連邦国家が侵略をしに来ているんだ?」
最愛の家族であり実の弟であるジェイの声が聞こえる。
「…俺達よりも、こういう他国に威圧をかけたいんだろう…。全くはた迷惑な話だ。しかし皮肉にも、その中心に俺達がいるわけだが…。」
「まごうことなき『元凶』というわけか。俺達が。」
イヤだな。ホント、自己嫌悪&否定の延々ループに陥りそうだ。
兵器開発(どころか、その主任として!)関わっている以上、決してめでたくはないが。
…ケッ、戦争してもなんにもならない、ってのに。みんな、いっそ聖絶、あるいは地球ごと滅亡してしまえ。
その時、いかにも古民家にある木々が、ガサガサっと激しく、かなり揺さぶられていることに気づいた。
「兄貴、すまん。なんか敵弾を防ぐために、古民家の上でサーチファイアーつかったら、変に鳥たちを驚かせてしまって…」
そうジェイが俺に謝った瞬間、バサバサッバサッ、と鳥たちが『古(民家の)巣』を逃げ出す。気が付くと、その逃亡者に通常攻撃やサーチファイアーがクリーンに当たっている。動物愛護精神を持つ人たちがみたらどういうのだろうか?ああ、やはり船で突撃でもするのか。…それにしても。
「ジェイ…。おまえ、ここがどこだかわかっているのか?」
「戦争待っただ中の戦場以外の何モノでもない」
「わかっているのならいい…。さっさと、目の前にいる戦車を迎撃しろっ!」
計4機の小型戦車が、農民の家と思わしき建物を、キャタピラーで押しつぶしながら、僕達を迎え撃つ。
連邦の戦車乗りには非常に残念な話だが、僕達兄弟の高性能戦闘爆撃機に適う、と思ったら大間違いだ。
事実、ほんの一分もしないうちに、その4機あった戦車はきれいに片付く。
「兄貴、そっけないな。貴重すぎる人命を軽く潰しておいてよ。」
「仕方ないじゃないか。これが戦争ってヤツだ。」
それから、簡易砲台や旧型戦闘機などを軽くあしらっていくと、その後に、戦闘機の駆動音に混じって、凄まじい轟音が聞こえた。…この音は戦車だ。しかも、割とデカめの。
「煩いな…。この騒音は。」
「…威嚇の意味もあるんじゃぁないのか?消音機は俺達兄弟の時代以前からあるしな…?」
そういう会話を弟としていると、僕達と戦う複数の戦闘機を援護するかのように、音を出している大元が、実際に姿を現した。
「…中型戦車か。」金はかかっていそうだ。相当。それに、知り合いが乗っていたらどうしよう。まぁ、乗っていないと思うが。
そして、やはりというか、案の定、僕達兄弟の戦闘機に向かって砲台を向け、威力の高い弾丸をぶちかましてきた。
「あぁ、やな感じだな。普通にうざったい。さっさと倒そう。」
「そうだな…。ならいいか、ジェイ。こいつは砲台の根元に陣取って、弾丸を撃ち込むんだ。そうすれば、弾は当たらないはずだ。
「アドバイス、サンキュ。じゃあ、行ってくるよ。」
ジェイの攻撃を受け、例の中型戦車は、最後の抵抗をしながらゴールデンバットに瞬殺される。
…やはり、か。
ゴールデンバットは凄い。貫通弾の威力もさることながら、それを操る製作者・俺の弟ジェイも、相当の実力を誇っている。
こんな頼もしい弟を持った俺も誇らしい。…いや、ただやたら兄貴に頼るのだけ早めろ。『お兄ちゃんっ子』をいい加減に卒業しろ
…兄貴と耽美にでも溺れたいのか?
「ふぅ…。あらかた敵は片付いたね。ほら、敵も撤退を開始しているようだし。」
「それよりさ…。ジェイ。俺達兄弟の兵器開発史上最も変なヤツってなんだと思う…?」
「断然、アイツだよね。どう考えても。」
「だよなぁ。」
「あんなの創るヤツなんて、絶対イカてるよね。頭。」
「だよねぇ。…って、完全に俺達兄弟のことだろ、それは。」
「そして、あんなのを実戦導入予定だった連邦も…。」
「言わずもがな。」
深い深い、古代ローマ帝国の時代からあったであろう、妖精やドルイドが住んでいても何もおかしくない美しい森。そこで、多くの残党派遣兵を退け、更に俺達兄弟の歩と二機の爆撃戦闘機を押し進めていく。その古代の幻想を身にまとったような森を抜けると、決して無機質で武骨武骨していない、自然と夢がいまだに残る、とても西欧的で可憐で奥ゆかしい街が見えた。だけども…。
「兄貴、見ろ。街が壊滅状態だ…。」
「…、連邦のヤツめッ…!」
「…?!、気をつけろ、兄貴!前方にアイツが…!!」
キュッ、プゥプゥイーン。そんな『アイツ』だけが出す独特な音がする。
そう、アイツが俺達兄弟を屠る為に、急速接近してきたのだ。
「…。なぁ、兄貴。あのデザインは。ホント、イカれているよな。」
「そうだな。…、それ以外の何モノでもない。」
既存の兵器全てに見られない特徴ばかりを揃える要塞兵器。武器にしたほうがよさそうな掘削ドリル。14機もの反転プロペラを搭載してまで、空飛ぶ要塞を作るという発想。さらに、街を制圧するのが簡単なほど、重厚な武装まで完備という…。
「もしかして、『マッドサイエンティスト』って俺達兄弟の…」
「ことだよな。…悲しいなぁ。」
…だが、自己否定にいそしんでいる暇は無い。
モタモタしているうちに、ボールが攻撃を仕掛けてくる。
『アイツ』が弾を撃つときは、外輪を回転させるのだ。
「…そうそう、兄貴。確か…。」
「…そうだ。外輪から内輪へ、そして、大元の核部分を攻撃して一気に倒すしかない。その為に、…ジェイ。やるべきことはわかるか?」
「…OK.」
そうジェイは承諾すると、見切りやすい幾何学的な弾幕をかいくぐり、ギリギリ再接近して、サーチファイアーを『アイツ』の外輪にぶちかます。そうすると、外輪どころか、内輪すらひっぺはがされる。そして、その行動の終り際に打ち込んだ、とどめの貫通弾で、完全にスクラップになる。
「あぁ…。なんか複雑な気分だな、兄貴。」
「確かに、なんか複雑な気分だなぁ。」
「別にネタとしてみれば、いいだけの話なんだけどなぁ」
「どこまでいっても、『マッドサインティスト=ウェイン兄弟』なんだなぁ。」
そんな感じでモゴモゴしているうちに、俺は弟に次の行き先を告げる。
ボスは「SF-4518 マッドボール」14機の反転プロペラで空中を移動し、目標地点に達すると下部に装備されている掘削ドリルで機体を固定。その地点における簡易要塞の役割を果たす兵器である。~Stab and Stomp!
3面 「FACTORY~Tunnel Vision.」
連邦の大型兵器生産ライン内部において、生産中の試作重爆撃機「スレイヤー」を破壊する。生産中とはいえ、一部の武装は既に完成しており、かなりの攻撃が予想される。
連邦での兵器開発主任時代に、設計を担当していた試作重爆撃機スレイヤー。…正直いうと、イヤな予感がした。
あれを特に、連邦は絶賛した。それを裏付けるかのように、たんまり臨時ボーナスさえでた。それを兄貴が全部ネコババしていった
あとで、兄貴に使い道を聞くと、諸々かつ色々貢いだという…。それで、兄貴をちょっとシメておいたのは、しみじみ良い思い出だったりする。
そのくらい、あれはマズい代物だ。だから、俺たち兄弟はここ――――大型兵器生産工場を一刻も速く、完膚なきまでに叩きのめさなければならない。そうでもしないと、連邦の今戦争での、軍事的アドバンテージの独占と圧倒的有利の状況が続くだろう。
だから、叩きのめすんだ。必ず。
「しっかし、なんてデカい工場なんだ。フツーに重量トップクラスのスレイヤーを何台も建造できるなんてなぁ…。」
「そういえば、さっき。湖や周辺の川から冷却水を引いていたね。まだ、鋳鉄をしているんだろうか?」
「しているさ。当然。」
少し進むと、大きな鉄製の網目を幾重にもすり抜けて、奈落のように深い深い地底から、暗い工場であるはずなのに、熱を帯びた淡い光が見える。一番深い底からオレンジ色の炎が、ゴッゴオッと燃え上がる。俺達兄弟が工場壊滅を進めていても、鋳鉄自体はやめていない。そうそう、急に消せるものではないから。だが、完全に…。この工場の鋳鉄を、俺達兄弟が辞めさせる。
「あぁ、見えてきた。建造中のスレイヤーだ。」
「おい、ジェイ。なにか、いるな…。」
それは、戦車と呼ぶにはちょっと違和感のあるマシン(あるいはメカ)だった。
連邦も、これを戦車と呼ばせたいのか、ミサイルも標準装備されている。
「なんだろう、あれは。」
「俺たち兄弟が作った覚えはない、けど…。」
なんとなく、可愛いね。僕たち兄弟は、例えるなら春の萌え出ずる感覚を味わった。
そして、その戦車は俺たち兄弟がスレイヤーを破壊するのを、傍観と阻止を交えるように迎撃を始める。
「しぐさも可愛いね。」
「それに、スレイヤーの間をすり抜けていく、なんて斬新な感覚。」
「でも、三号機の可愛さには…。」
「こらこらっ。」
気を取り直して、僕たち兄弟は当初の目的と予定に従い、スレイヤーのプロペラや武器他各重要部品を、シルバーソードとゴールデンバットの攻撃や武装で、少しずつ使い物にならなくしていく。当然、誰か(工場の勤務員?)が、未完成でありながらちゃんと動くスレイヤーの、エンジンスイッチをONにしたらしく、俺たち兄弟の戦闘爆撃機に、果敢にも立ち向かっていく。
それにしても、まだ建造中だというのに、スレイヤーの武装による攻撃は、結構厳しいモノがある。
…武装から率先して建造していたのだろう。俺たち兄弟にとっては、実にイヤらしい話。
だが、この武装は、すぐに俺たちの高火力射撃で黙り、歯向かうのを止めた。
ついでにいうと、あの戦車にもちゃんと、その攻撃は当たっている。…。
「…、兄貴、俺思い出したよ。そういえば、…『あの子』も、もう連邦の手によって、ここじゃない、他の工場かどこかで、生産されているんだろうか…。」
「『あの子』…?そうか、…思い出したなぁ。あぁ、ジェイ忘れよう。もう、『俺達の子』じゃないんだから…。」
「…うん。忘れるよ。でも、出来ないかもしれない。だって、『あの子』はガレッガシリーズの兄弟なんだから。また再会させたいよ。でも、『あの子』は俺達のことを忘れているかもしれない、けれども。」
「優しいな、ジェイ。そんな弟のことを、俺は見守りたくなるよ。」
「そう俺にいってくれる兄さんだって、十分優しいじゃない…?」
「…ありがとう、ジェイ。」
どうして、こんな俺たち兄弟がなぜ、冷酷すぎること他ならない戦争の世界に…。
さて、工場のスレイヤーは実質、全部潰した。これで、連邦の戦力も大幅減退するだろう。それに起因して、
ここの工場長がどんな責任を取らされようが、俺たち兄弟の知ったことではない、が…。
そうだ。俺たち兄弟は、連邦の人間ではないのだし。それでも…。
「これが組織ってモノなのか…。特に軍部は…。」
あぁ。…あとは、あの可愛い戦車を破壊するだけだ。ただ、心は痛むが…。
俺がそう考えていると、戦車は一定の位地に落ち着いた。その時、兄貴が乗っているシルバーソードの攻撃が戦車に直撃した。
派手な音が聞こえて、戦車が跡形も無く弾け飛んで、残ったのは不思議な形をした金塊だった。
「ごめん、ジェイ…。ジェイが攻撃した方が…。」
「いいんだよ、兄貴。スレイヤーや他の兵器だけ無差別に倒しておいて、あの戦車だけ残しておくなんて、なんか自分勝手のエゴ極まりない気がするから。」
「ジェイ、僕もそう思っていたところなんだ…。それより、ジェイ戦車の形見である金塊を…。」
「Ok。」
俺が金塊をとってから、兄貴が前方に注意を向け始める。
「ジェイ…。工場の端から向こうに、デカい倉庫があるな。…薬莢や爆発物置き場なのか?」
「兄貴…?それがどうかしたのか…?そういえば、更に見ると、倉庫の向こう側に線路があるな…。」
突然、騒音どころではない機械音がした。クジラのように巨大な黒金で出来た何かが動き始めた感じ、の。
ボスは「ST-22 アースクライシス」巨大な連装ロケットランチャーを2門装備した超重戦車である。その大きさ故に戦車と言うよりは移動要塞としての役割しか果たせず、生産数も2台が試作されたにすぎない。しかし、試作機が配備された場所によっては十分な成果を発揮したようだ。~Thrust and Thrash!
何故か倉庫の屋根から弾幕と言っていいほどの猛攻射撃が降ってくる。
俺達はそれをぐるぐる時計回りに移動しながら回避をし、相手の様子をみて攻撃する。
「もしかして、…あの同僚や上司から『ウドの大木』『ただデカイだけの鉄塊』と揶揄された…。」
「…あの超重量戦車?!」
―ST-22 アースクライシス。
でかすぎる胴体に最適なように、これまた巨艦巨砲主義の固まりとしか言いようの無い、特大キャタピラー、特大連装ロケットランチャーが装備されている。もはや、超次元重量戦車…。体裁は、どちらかというと移動要塞だが。それでも、男の夢が詰まりすぎている素晴らしい仕様。火を見るより明らかに自画自賛で俺を含む皆が皆、最大限引くが…。
「あの超重戦車、かっこいいね!兄貴!」
「しっ、ジェイ。自画自賛するなっ!」
ロケットランチャーぼかすか連射の脅威に、逃げ惑いつつ俺達兄弟は、その武器自体にダメージを与え、確実に封じていく。
それでも、その他の武装はとりあえず残しておく、変にパーツを剥いだり、つつくと危ない、と自分で設計したことを思い出したから…。
「あぁ~、『鉄材の無駄』ぁ~。」
「大丈夫だよ。あとで鉄材はリサイクルできるから。もちろん、新しい兵器としてね…。」
「兄貴、それ笑えないなぁ。そんな石油より黒いジョークはやめてよ。」
「だけど、人命に、動植物みたいな有機資源はリサイクルできないんだ…。ほぼ実質ね…。」
「もう…、やだなぁ…。それを、自然破壊や環境汚染って言うんじゃぁないか…。」
「そうだよ。…ジェイ。機械文明なんて、人類――特に、僕達兄弟と共に消え去ればいいのかもね…。」
そういいながら、俺たちは生き残り、罪を償うため、そして連邦を倒すため、次の戦場に駒を進める。
※バトルガレッガ二次創作
・前文・
【バトルガレッガとは~What's a 「BATTLE GAREGGA」?】
未だ科学が人類に幸福をもたらすと考えられていた時代。男が男らしく、女が女らしく暮らしていくのに、なんの抵抗も無かった時代を舞台に、機械技師のウェイン兄弟が連邦国家に対し戦いを挑む縦スクロールシューティングゲームです。
いつの時代だろうか?どこの世界だろうか?吸血鬼と波紋使いとその子孫たちが奇妙な冒険を開始した時代?深い深い山奥で、楽園と俗世を区切るための大結界が引かれた時代?中華大陸で偉大なる厨師達が『料理戦争』をしていた時代?人斬りが不殺を誓った時代?あるいは誰かの見た夢か?とある賢者の作り上げた寓話か?
もしかして、飽くなき知的好奇心をもっていても、たどり着けない、答えを得ることができないのだろうか?
それとも、名も無き場所(No where:どこにもない)か?あるいは我々のいる所か(Now here:今ここ)?
…一体。いつの、どこの世界なのだろう?
光速というほどの速度で内燃機関が、ここまでの高度を誇る技術に達した時代というのは…。
と、同時に西洋の人類が、思い上がりと夜郎自大とをここまで極めたのは…。
操作は1レバー3ボタン。レバーで移動、ボタン1でショット攻撃、ボタン2でスペシャルウエポンの発射、3ボタンでオプションのフォーメーションを変えることが出来ます。敵や地上物を破壊すると出現するボーナスアイテムは、逃さずに取ることで得点が上がっていき、いかに効率よく取得するかが重要なポイントとなっています。
Aボタンのショットは、セミオートが利き基本連射装置はいらない(むしろシンクロ30連装置は危険)が、敵を打ち外し、画面外へと出してしまえば、確実にランクは上がるが、そんな悠長に気にはしていられない。いずれにしろ、序盤のうちは、無駄撃ちはやめておいたほうが良い。また、オプションをつけていれば、自動的にショットと同じよう発射される。
Bボタンのスペシャルウエポンは、偉大なる東亜プランが作り上げた武装・ボムやボンバーではない。
東方諸作品に搭載されている同様の武装、スペカや霊撃でもない。たしかに、敵弾を消す効果はあるが、無敵時間は一切なく、発動も遅い。緊急回避には向かない。実際、攻撃方面で使うことが非常に多い。
この点もボム・ボンバーシステムとはちがうが、残量や個数はストック制であり、ボムチップ(大・小)というアイテムを集めて補充する。全機体共通して最大で、大ボム5発分までストック可能。
Cボタンのフォーメーション切り替えは、ノーマル→バック→フロント→ラウンド→トレース→ノーマルの順に切り替わる。隠しフォーメーションから通常フォーメーションに戻す時にも使う。
ボーナスアイテムは、我々の界隈では『勲章』と呼ばれている。それの特徴として、百点から一万点へと成長する。
特定の条件を満たせば、大量に出てくる。当然、成長させることや集めることに夢中になった。
必死で育てた一万点勲章は武功の香りがした。ただし、無差別殺戮と裏表の武功…。
それを嘲り、否定するかのように、ランクが上がると高速で落ち始める。こちらも必死で集める。
射幸心と言うのは、何処までも果てまでも、恐ろしいモノだ。魅惑的なエサで以って、誘蛾灯へと誘う。
そして、後に残ったのは、いつも虚無感だった。
…でも、楽しい。どうせ、無意識と原始的な心は快楽には逆らえない。だから。
快と不快の法則が、岩よりも不動のヒトをも突き動かす。一つの精神に二つの原理がせめぎ合う。
抑圧された快楽は、やがて根深い怒りになる。一番の不自然と背理はそれだというのに…。
ポジティブをネガティブに、ネガティブをポジティブに、何事も逆に考えて、そう捉える風習が、賢いはずの愚か者を絞首刑にする。全ては思考から始まる。そうでなかったことは一度もない…。かつて一度も。
Are you ready? Ok! Good Luck!
【プロローグ~Revelion.】
―自ら作り出した最強兵器… それは今、最大の敵となった。
まだ煙の立ち昇る廃墟に、二人の男が立ち尽くしていた。
かつて、人々が集い、恋人たちが愛を語り合ったその場所も、今は瓦礫の山と化している。
二人は苦悩した。『技術者』として幾つもの兵器開発に携わってきた日々がこんな結果を生み出すとは考えもしなかったのだ。
自分達の生み出した兵器たちが成し遂げたあまりに効果的な『仕事』の成果を目にして、二人は完全に逃げ場を失ったことを感じていた。
そして、今エンジンが高らかにうなりを上げる。
自らのまいた種をその手で刈り取るために。それが正義のためだとは考えていない。やるべきことを行う。それだけだ。
二度と還れぬと知りながら、何も言葉を交わすことなく空を見上げる、兄弟は心に不思議な静寂が満たされていくのを感じていた。
―以上、バトルガレッガ・ストーリーパンフレットver。
多くの人の夢と希望のもと人々は、平和にくらしていた。…しかし!その平和もつかの間。
俺達兄弟の連邦国家で製作した作品が、兵器として人々を戦争へと巻き込み始めた。
連邦は、周辺国への侵略や大陸統一への戦争をしたいがために、将来有望な若き技師である俺達兄弟をスカウトし、自陣へと引き込んだのだ。あまりにも莫大な資金と充実感の元、俺達兄弟は効率良く仕事をこなす兵器開発にいそしんだが、その犠牲になるのは、やはり貧しくも悲しい無辜の民だった。結局のところ、彼等に彼女等は、瓦礫の下で身動きがとれず、死に絶えていく。一瞬を生きる為の、一片のパンすら与えられず…。
あぁ誰かが…。この地獄から助けてくれる事を『僕達』は、待っていたんだ。
【プレイヤーセレクト~4:71AM】
「連邦」の次期主力戦闘機として開発されたのが「ガレッガシリーズ(開発コードG)」。ウェイン兄弟の最高傑作にして最後の作品である。
俺達兄弟は、ガレッガシリーズのことを、自分自身の実子達だと思っている。
いいや、ウェイン兄弟の投影なのだ。擬人化するとき『彼等』を通じて、僕達兄弟は日常気が付かない様々な側面、同じく意外な気質があることを思い知らされた。「ガレッガシリーズは僕達兄弟の、実に鏡写しだ」とジェイもよく、僕や他の人にもその驚きを伝える。
たとえば、一号機から四号機までを順に見ていくと、
シルバーソードは、毅然と刀を身構える『武士の如く勤勉で気真面目な性格』を。
グラスホッパーは、ちょっと、『クールでニヒルな軍人のダンディズム』を。
フライングバロンは、道(タオ)に生きる、『天衣無縫で天真爛漫な神仙』のような一面を。
ワイルドスネイルは、『未完成』と言う名を持つ完成度の高さを。そして、『何事も貫き穿つ信念』を。
…こうしてみると、僕達兄弟は『彼等』と一心同体なのだろう。どこまでも。
G-1010 戦闘攻撃機 「シルバーソード」
機動性、攻撃力共にバランスの取れた機体。機首に18ミリ機関砲4門を装備している。なお、Gシリーズの4機体には、それぞれ装備品の違いによる4つのバリエーションが存在する。G-1010には他に「キャノンボール」「マサムネ」「シャッタースター」と名付けられたタイプが存在する。
G-130 陸上戦闘迎撃機 「グラスホッパー」
機首に14ミリ回転式機関砲2門を装備し対陸上兵器用として開発された機体である。バリエーションは「レインフォーサー」「DGRオクトーバー」「ダイビングフォックス」がある。
G-1026 軽艦上戦闘機 「フライングバロン」
攻撃力としてはいささか貧弱な16ミリ機関砲2門を備えているにすぎないが、機動性、運動性に優れた機体である。「ストーミーオーメン」「レッドインパルス」「ブラックツエッペリン」がバリエーション。
G-913 重艦上雷撃機 「ワイルドスネイル」
機体上部に強力な30ミリ機関砲4門を装備した重戦闘機。しかし、今だ未完成の機体でもある。「アイアンマッケレル」「ロストチャンピオン」「ゴールデンバット」のバリエーションの内、「ゴールデンバット」がもっとも操縦性に優れているようだ。
…、さて。僕達の命を委ねる我が子を選ぶ。悩むな…。いや、悩まない方がアレなのだが。
まず、ガレッガシリーズで一番最強のワイルドスネイルの派生種『ゴールデンバット』へジェイに搭乗してもらう。
兄貴が死んでも弟が生きていればいい。そういうのは、歴史上類がありすぎるからな。…それに大概、弟の方が優秀なんだし…。
実際、あの優秀なオプション、『G‐SHOT』は弟ジェイが製作したんだし…。ああぁ、ダメだ。自分を否定しているようで、体が苦しくなる。…やはり、兄貴は弟には勝てないのだろうか。
結局、俺は一番オーソドックスな『シルバーソード』に搭乗することにした。
耐久力と攻撃力は及第点だが、中途半端だ。だが、少々グラスホッパーやフライングバロンより高性能であるので、きっと…。
まぁ、戦争は何時戦死してもおかしくない。…いや、でも…。
やはり、シルバーソードにしよう。運命は自分で決めるんだモンな…。
【…Wayne Brothers'll Shoot and Beat the Federation.】
1面 「VALLEY~Fly to the leaden sky.」
鉱山地帯に建設された連邦の秘密工場地帯を強襲する。ウェイン兄弟もここの工場で設計作業などを行っていた、いわくつきの場所でもある。
「兄貴、この場所はなつかしいな…。」
古いおもちゃのように時代がかったゴンドラや固定クレーンがみえる。その下には、近辺諸国に見つからぬよう秘密裏に作られた工場地帯。なんと『幻想的な現実(Phantasic Reality)』なのだろうか。
そのように、かつて楽しく働いて、いつも充実していた毎日を送っていた職場が、目下に見えた。
でも、今は。戦争――その無意味な行為だけに使う兵器開発、という汚れた毎日を過ごした、嫌悪するほど苦い思いしか蘇らない場所だった…。
一刻も早く、そういう思い出は清く漱がねば…。そうしないと、心が締め付けられる。ほうっておくと、徐々に俺が絞り殺される。
…。…どうしてだろう。
俺たち兄弟は、機械のことが心から好きだった。どんな運命の恋人が現れても、それが揺らぐことが無いくらいに。
そんなに『わが子』を愛する俺たちでも、兄弟姉妹同然の人間を抹消するような兵器なら、必ずどんなに躊躇しても、葬らなければいけない、ということだけはわかった。でも、ダメだ…。
どうしても、俺は…。やっぱり、俺たち『ウェイン兄弟という名の元凶』が、今死んだほうが…、よっぽど償いになるんじゃないのか…?
「ジェイ。それは、俺だってわかるモンだ。…愛はつらいな。憎しみよりも時に強く響く。多分、それが生きているという…、証明なのだろう。」
俺の緊張をほぐすように、敬意を表し、親愛してやまない兄貴が通信を送る。
モールス記号は至極無機質だが、兄貴の優しくも暖かい思いは、ちゃんと俺に、じんわりと伝わる。
「…兄貴。俺たち兄弟は、どうすればいいのだろう。たとえ、この戦争に勝利したとしても、その全てを償うどころか、罪を重ね続けたことになってしまう…。」
「…ジェイ。俺達兄弟が天寿を全うするくらい、彼等の分も生きれば、きっとそれは十分償いになる…、と俺は思う。だから、ジェイもそういう気持ちを持っていてくれ。」
「ありがとよ…、兄貴。」
なぜ、こんなにも暖かいのだろう…?内燃機関だろうと、暖房だろうと、そういう機械の熱では決して出せない、兄貴の優しい温もり。…それより、こんなにも対照的に冷たい無機質な戦争なのだろう。心身の中心から、凍えてしまいそうだ。
嗚呼、平和だけが、穏やかな毎日だけが、こういう温もりをもたらすんだろうな…。
「あ、ノーズラフィン…。」
そう、一時の思いに耽るその時、兄貴が『過去の遺物』を発見した。
ボスは「MD-113 ノーズラフィン」今となってはいささか時代遅れとなってしまってはいるが、安定性を利用して機体背面に装備されている大型砲台の攻撃力は侮れない。~Stab and Stomp!
「あぁ、ノーズラフィン…。一番初めに製作した思い出の作品…。でも、スクラップにしなければ…。」
「兄貴…。」
僕、いや俺は、機械技師兼パイロットとしての側面抜きでも、兄貴を心から尊敬している。
兄貴がいなければ、俺はいない。確固として、そう断言できる。実際、俺達兄弟二人で協力して
、作り上げ、そして、連邦に認められた記念すべき航空機だ。
「ふっ、そうか…。ジェイ…、連邦は俺達兄弟を、本気で裏切り者扱いしているようだな…。」
「…そうとしか思えないよな」
俺たち兄弟を屠るためなら、一切手を抜かないつもりか。しかも、万や千と言う数の大群ではなく、たった二人のために…。
なんてことだ。…あぁ、当たり前か。相手はのっけから容赦が無い。人とは思えないほど、無さ過ぎる。
殺したいのか?『裏切り者』を?消したいのか?『危険分子』を?
一体、ヤツらは何を考えている?
ついつい最近まで、誉め倒してまで、賞賛を浴びせてまで、兵器開発主任としてあせくせ働かせていたのにな…。
「手のひらを返す、ということは、こういうことか…。」
「それにしても…。」
ノーズラフィンは、確かに旧型だが、あの連邦は俺たちが当初製作した機体より、大幅にパワーアップと改良を施している。
あの大型砲台なんて、設計と製作したときには、全くふつうの装備だった。しかも、砲台をグルグル動かす、回転機能なんぞついていない。じゃぁ、ありゃーなんだろう?…そうか、あれはまさに、夢のまた夢『ドリーム砲台』。わぁい。
「ったく…。連邦はどこまでも…。」
「俺達兄弟に似て…。ヲタク気質だ…。」
さて、俺達兄弟は、ノーズラフィンの撃墜に向かう。
いくら連邦が強化を施そうが、弱点は変わらない。両翼は異様に頑丈だが、中心の胴体はフライングバロンと同等なくらい脆い。
だから、『ドリーム砲台』を取り付けたのだろう。弱点を狙う敵を、優先的に狙撃するために。
「ジェイ、貫通弾頼むよ。俺が囮になって、ヤツを引き付けるからな」
「OK。」
ドリーム砲台の囮を、シルバーソードと兄貴に任せ、俺は攻撃に専念する。そうして、
そうこうしないうちに、ゴールデンバットの強力無比な貫通弾で、あっという間にノーズラフィンは撃墜されてしまった。
「あぁ、これが戦争なのか。それにラフィン…。」
「人命の心配より、ただの機械でしかないラフィンの心配をしているなんて、そう言っている割には、戦争がなんなのか、わかってないな。ジェイ。…でも、さぁて、連邦へ進軍しようか…。」
2面 「PLATEAU~Underwater Rampart.」
美しい湖と森に囲まれた高山都市。そこも連邦の攻撃により、もはや壊滅状態となっている。
おぉ。なんて、風遼明媚な高原地帯なんだろう。それはそれは、大陸中の王侯貴族がこぞってリゾート地への旅行先に指定するのが、当然なくらいに。俺も正直、ここでバカンスを過ごしたいと思った。…無論、この戦争が終わったらの話だが…。
「兄貴。なぜこんなところに、連邦国家が侵略をしに来ているんだ?」
最愛の家族であり実の弟であるジェイの声が聞こえる。
「…俺達よりも、こういう他国に威圧をかけたいんだろう…。全くはた迷惑な話だ。しかし皮肉にも、その中心に俺達がいるわけだが…。」
「まごうことなき『元凶』というわけか。俺達が。」
イヤだな。ホント、自己嫌悪&否定の延々ループに陥りそうだ。
兵器開発(どころか、その主任として!)関わっている以上、決してめでたくはないが。
…ケッ、戦争してもなんにもならない、ってのに。みんな、いっそ聖絶、あるいは地球ごと滅亡してしまえ。
その時、いかにも古民家にある木々が、ガサガサっと激しく、かなり揺さぶられていることに気づいた。
「兄貴、すまん。なんか敵弾を防ぐために、古民家の上でサーチファイアーつかったら、変に鳥たちを驚かせてしまって…」
そうジェイが俺に謝った瞬間、バサバサッバサッ、と鳥たちが『古(民家の)巣』を逃げ出す。気が付くと、その逃亡者に通常攻撃やサーチファイアーがクリーンに当たっている。動物愛護精神を持つ人たちがみたらどういうのだろうか?ああ、やはり船で突撃でもするのか。…それにしても。
「ジェイ…。おまえ、ここがどこだかわかっているのか?」
「戦争待っただ中の戦場以外の何モノでもない」
「わかっているのならいい…。さっさと、目の前にいる戦車を迎撃しろっ!」
計4機の小型戦車が、農民の家と思わしき建物を、キャタピラーで押しつぶしながら、僕達を迎え撃つ。
連邦の戦車乗りには非常に残念な話だが、僕達兄弟の高性能戦闘爆撃機に適う、と思ったら大間違いだ。
事実、ほんの一分もしないうちに、その4機あった戦車はきれいに片付く。
「兄貴、そっけないな。貴重すぎる人命を軽く潰しておいてよ。」
「仕方ないじゃないか。これが戦争ってヤツだ。」
それから、簡易砲台や旧型戦闘機などを軽くあしらっていくと、その後に、戦闘機の駆動音に混じって、凄まじい轟音が聞こえた。…この音は戦車だ。しかも、割とデカめの。
「煩いな…。この騒音は。」
「…威嚇の意味もあるんじゃぁないのか?消音機は俺達兄弟の時代以前からあるしな…?」
そういう会話を弟としていると、僕達と戦う複数の戦闘機を援護するかのように、音を出している大元が、実際に姿を現した。
「…中型戦車か。」金はかかっていそうだ。相当。それに、知り合いが乗っていたらどうしよう。まぁ、乗っていないと思うが。
そして、やはりというか、案の定、僕達兄弟の戦闘機に向かって砲台を向け、威力の高い弾丸をぶちかましてきた。
「あぁ、やな感じだな。普通にうざったい。さっさと倒そう。」
「そうだな…。ならいいか、ジェイ。こいつは砲台の根元に陣取って、弾丸を撃ち込むんだ。そうすれば、弾は当たらないはずだ。
「アドバイス、サンキュ。じゃあ、行ってくるよ。」
ジェイの攻撃を受け、例の中型戦車は、最後の抵抗をしながらゴールデンバットに瞬殺される。
…やはり、か。
ゴールデンバットは凄い。貫通弾の威力もさることながら、それを操る製作者・俺の弟ジェイも、相当の実力を誇っている。
こんな頼もしい弟を持った俺も誇らしい。…いや、ただやたら兄貴に頼るのだけ早めろ。『お兄ちゃんっ子』をいい加減に卒業しろ
…兄貴と耽美にでも溺れたいのか?
「ふぅ…。あらかた敵は片付いたね。ほら、敵も撤退を開始しているようだし。」
「それよりさ…。ジェイ。俺達兄弟の兵器開発史上最も変なヤツってなんだと思う…?」
「断然、アイツだよね。どう考えても。」
「だよなぁ。」
「あんなの創るヤツなんて、絶対イカてるよね。頭。」
「だよねぇ。…って、完全に俺達兄弟のことだろ、それは。」
「そして、あんなのを実戦導入予定だった連邦も…。」
「言わずもがな。」
深い深い、古代ローマ帝国の時代からあったであろう、妖精やドルイドが住んでいても何もおかしくない美しい森。そこで、多くの残党派遣兵を退け、更に俺達兄弟の歩と二機の爆撃戦闘機を押し進めていく。その古代の幻想を身にまとったような森を抜けると、決して無機質で武骨武骨していない、自然と夢がいまだに残る、とても西欧的で可憐で奥ゆかしい街が見えた。だけども…。
「兄貴、見ろ。街が壊滅状態だ…。」
「…、連邦のヤツめッ…!」
「…?!、気をつけろ、兄貴!前方にアイツが…!!」
キュッ、プゥプゥイーン。そんな『アイツ』だけが出す独特な音がする。
そう、アイツが俺達兄弟を屠る為に、急速接近してきたのだ。
「…。なぁ、兄貴。あのデザインは。ホント、イカれているよな。」
「そうだな。…、それ以外の何モノでもない。」
既存の兵器全てに見られない特徴ばかりを揃える要塞兵器。武器にしたほうがよさそうな掘削ドリル。14機もの反転プロペラを搭載してまで、空飛ぶ要塞を作るという発想。さらに、街を制圧するのが簡単なほど、重厚な武装まで完備という…。
「もしかして、『マッドサイエンティスト』って俺達兄弟の…」
「ことだよな。…悲しいなぁ。」
…だが、自己否定にいそしんでいる暇は無い。
モタモタしているうちに、ボールが攻撃を仕掛けてくる。
『アイツ』が弾を撃つときは、外輪を回転させるのだ。
「…そうそう、兄貴。確か…。」
「…そうだ。外輪から内輪へ、そして、大元の核部分を攻撃して一気に倒すしかない。その為に、…ジェイ。やるべきことはわかるか?」
「…OK.」
そうジェイは承諾すると、見切りやすい幾何学的な弾幕をかいくぐり、ギリギリ再接近して、サーチファイアーを『アイツ』の外輪にぶちかます。そうすると、外輪どころか、内輪すらひっぺはがされる。そして、その行動の終り際に打ち込んだ、とどめの貫通弾で、完全にスクラップになる。
「あぁ…。なんか複雑な気分だな、兄貴。」
「確かに、なんか複雑な気分だなぁ。」
「別にネタとしてみれば、いいだけの話なんだけどなぁ」
「どこまでいっても、『マッドサインティスト=ウェイン兄弟』なんだなぁ。」
そんな感じでモゴモゴしているうちに、俺は弟に次の行き先を告げる。
ボスは「SF-4518 マッドボール」14機の反転プロペラで空中を移動し、目標地点に達すると下部に装備されている掘削ドリルで機体を固定。その地点における簡易要塞の役割を果たす兵器である。~Stab and Stomp!
3面 「FACTORY~Tunnel Vision.」
連邦の大型兵器生産ライン内部において、生産中の試作重爆撃機「スレイヤー」を破壊する。生産中とはいえ、一部の武装は既に完成しており、かなりの攻撃が予想される。
連邦での兵器開発主任時代に、設計を担当していた試作重爆撃機スレイヤー。…正直いうと、イヤな予感がした。
あれを特に、連邦は絶賛した。それを裏付けるかのように、たんまり臨時ボーナスさえでた。それを兄貴が全部ネコババしていった
あとで、兄貴に使い道を聞くと、諸々かつ色々貢いだという…。それで、兄貴をちょっとシメておいたのは、しみじみ良い思い出だったりする。
そのくらい、あれはマズい代物だ。だから、俺たち兄弟はここ――――大型兵器生産工場を一刻も速く、完膚なきまでに叩きのめさなければならない。そうでもしないと、連邦の今戦争での、軍事的アドバンテージの独占と圧倒的有利の状況が続くだろう。
だから、叩きのめすんだ。必ず。
「しっかし、なんてデカい工場なんだ。フツーに重量トップクラスのスレイヤーを何台も建造できるなんてなぁ…。」
「そういえば、さっき。湖や周辺の川から冷却水を引いていたね。まだ、鋳鉄をしているんだろうか?」
「しているさ。当然。」
少し進むと、大きな鉄製の網目を幾重にもすり抜けて、奈落のように深い深い地底から、暗い工場であるはずなのに、熱を帯びた淡い光が見える。一番深い底からオレンジ色の炎が、ゴッゴオッと燃え上がる。俺達兄弟が工場壊滅を進めていても、鋳鉄自体はやめていない。そうそう、急に消せるものではないから。だが、完全に…。この工場の鋳鉄を、俺達兄弟が辞めさせる。
「あぁ、見えてきた。建造中のスレイヤーだ。」
「おい、ジェイ。なにか、いるな…。」
それは、戦車と呼ぶにはちょっと違和感のあるマシン(あるいはメカ)だった。
連邦も、これを戦車と呼ばせたいのか、ミサイルも標準装備されている。
「なんだろう、あれは。」
「俺たち兄弟が作った覚えはない、けど…。」
なんとなく、可愛いね。僕たち兄弟は、例えるなら春の萌え出ずる感覚を味わった。
そして、その戦車は俺たち兄弟がスレイヤーを破壊するのを、傍観と阻止を交えるように迎撃を始める。
「しぐさも可愛いね。」
「それに、スレイヤーの間をすり抜けていく、なんて斬新な感覚。」
「でも、三号機の可愛さには…。」
「こらこらっ。」
気を取り直して、僕たち兄弟は当初の目的と予定に従い、スレイヤーのプロペラや武器他各重要部品を、シルバーソードとゴールデンバットの攻撃や武装で、少しずつ使い物にならなくしていく。当然、誰か(工場の勤務員?)が、未完成でありながらちゃんと動くスレイヤーの、エンジンスイッチをONにしたらしく、俺たち兄弟の戦闘爆撃機に、果敢にも立ち向かっていく。
それにしても、まだ建造中だというのに、スレイヤーの武装による攻撃は、結構厳しいモノがある。
…武装から率先して建造していたのだろう。俺たち兄弟にとっては、実にイヤらしい話。
だが、この武装は、すぐに俺たちの高火力射撃で黙り、歯向かうのを止めた。
ついでにいうと、あの戦車にもちゃんと、その攻撃は当たっている。…。
「…、兄貴、俺思い出したよ。そういえば、…『あの子』も、もう連邦の手によって、ここじゃない、他の工場かどこかで、生産されているんだろうか…。」
「『あの子』…?そうか、…思い出したなぁ。あぁ、ジェイ忘れよう。もう、『俺達の子』じゃないんだから…。」
「…うん。忘れるよ。でも、出来ないかもしれない。だって、『あの子』はガレッガシリーズの兄弟なんだから。また再会させたいよ。でも、『あの子』は俺達のことを忘れているかもしれない、けれども。」
「優しいな、ジェイ。そんな弟のことを、俺は見守りたくなるよ。」
「そう俺にいってくれる兄さんだって、十分優しいじゃない…?」
「…ありがとう、ジェイ。」
どうして、こんな俺たち兄弟がなぜ、冷酷すぎること他ならない戦争の世界に…。
さて、工場のスレイヤーは実質、全部潰した。これで、連邦の戦力も大幅減退するだろう。それに起因して、
ここの工場長がどんな責任を取らされようが、俺たち兄弟の知ったことではない、が…。
そうだ。俺たち兄弟は、連邦の人間ではないのだし。それでも…。
「これが組織ってモノなのか…。特に軍部は…。」
あぁ。…あとは、あの可愛い戦車を破壊するだけだ。ただ、心は痛むが…。
俺がそう考えていると、戦車は一定の位地に落ち着いた。その時、兄貴が乗っているシルバーソードの攻撃が戦車に直撃した。
派手な音が聞こえて、戦車が跡形も無く弾け飛んで、残ったのは不思議な形をした金塊だった。
「ごめん、ジェイ…。ジェイが攻撃した方が…。」
「いいんだよ、兄貴。スレイヤーや他の兵器だけ無差別に倒しておいて、あの戦車だけ残しておくなんて、なんか自分勝手のエゴ極まりない気がするから。」
「ジェイ、僕もそう思っていたところなんだ…。それより、ジェイ戦車の形見である金塊を…。」
「Ok。」
俺が金塊をとってから、兄貴が前方に注意を向け始める。
「ジェイ…。工場の端から向こうに、デカい倉庫があるな。…薬莢や爆発物置き場なのか?」
「兄貴…?それがどうかしたのか…?そういえば、更に見ると、倉庫の向こう側に線路があるな…。」
突然、騒音どころではない機械音がした。クジラのように巨大な黒金で出来た何かが動き始めた感じ、の。
ボスは「ST-22 アースクライシス」巨大な連装ロケットランチャーを2門装備した超重戦車である。その大きさ故に戦車と言うよりは移動要塞としての役割しか果たせず、生産数も2台が試作されたにすぎない。しかし、試作機が配備された場所によっては十分な成果を発揮したようだ。~Thrust and Thrash!
何故か倉庫の屋根から弾幕と言っていいほどの猛攻射撃が降ってくる。
俺達はそれをぐるぐる時計回りに移動しながら回避をし、相手の様子をみて攻撃する。
「もしかして、…あの同僚や上司から『ウドの大木』『ただデカイだけの鉄塊』と揶揄された…。」
「…あの超重量戦車?!」
―ST-22 アースクライシス。
でかすぎる胴体に最適なように、これまた巨艦巨砲主義の固まりとしか言いようの無い、特大キャタピラー、特大連装ロケットランチャーが装備されている。もはや、超次元重量戦車…。体裁は、どちらかというと移動要塞だが。それでも、男の夢が詰まりすぎている素晴らしい仕様。火を見るより明らかに自画自賛で俺を含む皆が皆、最大限引くが…。
「あの超重戦車、かっこいいね!兄貴!」
「しっ、ジェイ。自画自賛するなっ!」
ロケットランチャーぼかすか連射の脅威に、逃げ惑いつつ俺達兄弟は、その武器自体にダメージを与え、確実に封じていく。
それでも、その他の武装はとりあえず残しておく、変にパーツを剥いだり、つつくと危ない、と自分で設計したことを思い出したから…。
「あぁ~、『鉄材の無駄』ぁ~。」
「大丈夫だよ。あとで鉄材はリサイクルできるから。もちろん、新しい兵器としてね…。」
「兄貴、それ笑えないなぁ。そんな石油より黒いジョークはやめてよ。」
「だけど、人命に、動植物みたいな有機資源はリサイクルできないんだ…。ほぼ実質ね…。」
「もう…、やだなぁ…。それを、自然破壊や環境汚染って言うんじゃぁないか…。」
「そうだよ。…ジェイ。機械文明なんて、人類――特に、僕達兄弟と共に消え去ればいいのかもね…。」
そういいながら、俺たちは生き残り、罪を償うため、そして連邦を倒すため、次の戦場に駒を進める。