※Pixivより転載
※バトルガレッガ二次創作
・六面~Megalomaniac
僕達の気分は完全に、180度ぐるりと変わった。
今まで、僕達兄弟は正直言うとそんな明るい性格じゃない。
でも、緊張をほぐすために冗談を言い合っていたんだ。
もちろん、僕らの破壊してきた機械(大中小問わず)に
人が乗っていることはわかっている。
破壊すれば即、人が死ぬこともわかっている。
その感覚を、イヤでもかき消すために、今まで心明るく進んできたんだ。
でも、もう、・・・だめだ。・・・もう限界だ。
・・・連邦国家首都。
そこには、僕達が働いていた頃の面影は全くない。
具体的にいえば、都には大きな住宅街、古き良き首都機能をそろえた区の隣には鳥や生き物がたくさん住む森や養分豊かな湖や川が広がっていた。
・・・その自然の田舎と都会の境界線が薄かった頃の面影が全くないのだ。
その都は完全に機械化・要塞化され、重金属などを含んだ排水が川や湖を濁らせ、排気ガスが空気を濁らし、もう完全に自然が排斥され、機械と人間と不自然しかない世界。
・・・もちろん、僕たちの責任もある。
僕たちが連邦をここまで発展させなければ、隣国にも連邦周辺の木々や動物たちにも迷惑をかけなかっただろう。
僕達のあまりにも偉大すぎる才能と天井知らずの愚かさと未来に対する無知。
・・・そして、なにより「ウェイン兄弟」という存在が、
・・・連邦を、大陸を、人々との自然との関係を、
・・・至極悪い方向に変えたんだ。
「・・・・・・ジェイ、聞こえるか?ああ、主よ許したまえ。僕達がいなければ、僕達が天才でなければ、僕達が有能でなければ、僕達が連邦に関わらなければ、そして、僕達が自然を敬い、道理という流れに従うタオイストであれば・・・・・」
「ああ、僕たちは、どうして、なんて、本当にバカなんだろうっ!!!・・・兄さん、僕たちは本当に・・・何なんだろうね」
「・・・僕にはこれだけはわかる。確実にウェイン兄弟は「決して神に使わされた存在」でない、ということだけが」
・・・本当に居心地の悪い場所だった。
不自然なほどに戦車や飛行機などの機械ばかりで、今にも目眩がしそうだ。
僕達の働いていたころの首都は、少し街を抜ければ森や川があり、そこでリラックスできたのに。
今はそんなこともできないくらい、連邦の首都は機械しかいない要塞と化している。
無機質、不自然、退廃・・・
もうそれしかない要塞を駆け抜ける先兵として先をいく、ゴールデンバットの目の前に、
最新鋭の性能の良いミサイルを発射する四つの砲台といくつもの副砲台が待ちかまえていて、それらが僕に容赦なく攻撃する。
「ジェイ、僕が君と一緒に前線で戦えないのはもうしわけないな」
「兄さんこそ、下手に前にでたら死ぬんじゃないか?シルバーソードはあまり攻撃力ないし」
「なにをっー!っといいたいところだが、今こっちも小競り合いで忙しくて、なにも言い返せないのがつらいな」
兄さんと話をしながら、僕は持ち前の気合いと機転によって、主と副を問わず砲台を総て破壊する。
もう、一つの壁は越えたと思う。
しかし、それでも。
「ジェイ、みてみなよ。いつの間にあんなの作ったんだろう」
兄さんが比較的遠方から指摘したのは、この時代の技術にはふさわしくないビーム砲。
たぶん連邦は、この兵器に多額の費用をかけていると思うのだが、僕達のあたり判定は小さいし、ターゲットを定める方法は自機狙いの上に、発動が遅いので、僕はボムとショットを併用して、砲台を使いモノにならなくする。
「ジェイ、僕の分もありがとね」
「兄さん、あれは僕がじゃまと思うからなだけ」
「ふーん。そうかい」
僕らが気を取られていない内も、戦車が次々にでてくる。
「兄さん。どうすれば、戦車うじゃうじゃが止まるんだろうね」
「むーーん・・・、そうだね。前にもこういうのあったような。・・・あっ、あれだ。海の時のあれ。ボムを使うんだ。ジェイのサーチファイアー(ボム)で戦車とその入り口を焼き溶かすのさ」
「なるほど」
早速、兄さんが教えてくれた作戦を実行に移す。
その方法とは、戦車の出現する入り口に向かって、ボムを発射するボタンを短い間押す。
すると、サーチファイアーの超高熱が、鋼鉄でできた戦車と入り口を溶かす。そして、超高熱を受けたそれらは、あとの戦車がつっかえるような鉄の塊と化す。
「ジェイ、よくできたな」
「兄さん、作戦の提案ありがとう」
「そんなことより、つぎ、つぎ」
弟の切り込みで、戦車はつぎつぎとつっかえ、砲台もどんどん壊れていく。
「なかなかやるじゃないか!その調子!その調子!」
「兄さぁん、もうボムがないよ」
「じゃあ僕がやるって。・・・おっ、ジェイ、あれ見て」
兄さんが指摘した、その先には、僕達兄弟に懐かしいものがあった。
「あれって、もしかして・・・」
ジャンキーモンキー。地雷を埋めるだけの戦争用機械。
そして、その前にあるのは、彼を守る前座的砲台。
「あまりにもジャンクすぎるよね、僕が作っといてなんだけど」
兄さんが片手間で作ると、こうなるという典型。
だいたい、男というものは並列作業や思考というものが苦手だと聞いたことがある。
ジャンキーモンキーを作っていたそのころは、連邦からこれでもかっというほどに、兵器製造の注文が殺到し、どうしても10もの並列作業をこなさなければならないほどに、
ものすごく忙しかった。
・・・どういえばいいのかな。なんかこう、キリスト降誕祭と復活祭が同時にやってきたみたいな忙しさ。
まあ、そのおかげで僕たちは、このときにたんまり稼いで、裕福な生活をおくれるようになったわけだけど。
「やっぱ男という生き物、一つのことに打ち込んで生きていかねばいけませんなー!」
「兄さん、それ言い訳になってない、それより、前」
「ああ、僕が砲台と戦車を退治するね」
シルバーソードが前座を一網打尽にしていく。
その間に僕は、ジャンキモンキーが戦闘準備を整えていくところを見ながら、攻撃を開始するタイミングを計る。
「ジェイ!連邦が追加した複数の砲台に気をつけるんだ!その砲台は僕がやっつける!」
兄さんのいうとおりに、確かに連邦が追加したと思われる、複数の砲台に気をつけながら、ジャンキーモンキー
本体に攻撃を打ち込んでいく。
「よし!本体にきいてるぞっ!ってあれ?」
本体にかなりダメージがいくようになると、ジャンキーモンキーからアームが生えてきた。
・・・なんかシュールな光景。
「地雷を埋めるために、腕が必要なんだ」
「まあ、人にやらせるよりは効率よくできるし、なにより安全だろう・・・だけれども。なんか不格好」
「デザインは気にするな」
僕はあまりにも、兄さんのデザインは適当すぎると思った。特に、腕を後ろに振りあげて、万歳する時。
そのたびに僕は、「うへぇ」ってなる。
他に説明のしようがないけれど、
・・・そのくらい、ナンセンス。
「ジェイ~!二番目の失敗作を許しておくれ~!」
「はいはい、兄さん。うるさい。そんなこという暇があったら、攻撃に参加してよ」
「わかった、今そっちいくよ!」
「ごめんなさい。もう終わりました」
「アルェ~?」
ゴールデンバットの猛攻(?)が利いたのか、ジャンキーモンキーは完全に倒される。
失敗作が完全に沈んで、兄さんもさぞかし嬉しいだろう・・・?
「やっぱ、だめな子ほどかわいいね。なんか惜しい気分だよ」
「・・・兄さん。もうー。それだから、いつまでたっても昔の作品捨てられないんじゃないか。もう少し考え方変えたら?」
「あのね、ジェイ。かわいいものはかわいいんだよ。それはずっと変わらない。・・・さあ、ジェイ。僕たちが首都に侵攻して、かなり大暴れしたことで、連邦はかなり混乱しているだろう。きっと、お偉いさんはなんとしても逃げて、生き延びようとするだろう。・・・奴らは主任時代の僕達に、秘密滑走路の存在を教えたことを、絶対後悔するさ。じゃあ、いこうか。奴らの墓場、秘密滑走路へ!」
GO Next Stage!
・七面~Marginal Conciousness
ーー連邦国家はほぼ壊滅した。
なのに、上層部はまだ悪あがきをしている。
僕達が完全に制作したことを忘れていた「キングクリムゾン」という移動シェルターに乗って、行き先を決めていない逃亡を始める。
だから、上層部を皆殺しにしなければ、きっと連邦国家は生存し続けるだろう。・・・なんかイヤな気分だ。
・・・でも、しかし。僕達はもう十分に手を汚したんじゃないか・・・?。多くの重く様々な悪業(カルマ)と今生では償いきれない過ちを残しながら・・・。
「兄さん。もうこれで連邦は終わりだね」
これで、最後の大詰め。
もちろん、僕達兄弟は最後まで気を抜かない。
どんな強敵や障壁が現れようとも、最後まで戦い抜く覚悟だ。
「やっと来たか・・・」
目の前に現れるキングクリムゾン。
その中に、連邦の上層部はみんな大挙して乗っている。
兄さんの提案に沿って、僕達兄弟は砲台を壊しながら、キングクリムゾンをだめにすることにした。
「あ、あれがグロウスクイード!」
「ジェイ、あいつを追いかけるんだ!」
しかし、先を阻むのがキングクリムゾン。
その機体から、多くの紅い小さな戦闘機が次々と襲撃をかけてくる。
「兄さん!僕、思い出したんだ。この白いパーツを壊せば、この子は完全に壊れる」
「ジェイ!サンキュー!」
僕は、戦闘機を破壊することを弟に任せて、自分は白いパーツに攻撃を打ち込むことに専念する。
「兄さん、敵のスピードが速まってきたよ!僕ももうげ・・・」
「そこを何とかっ!ジェイぃ!頼むっ!」
ーー運のいいことに、そうして、パーツの限界。
キングクリムゾンは完全に破壊された。
「やったね!兄さん!天が僕達に味方してくれたんだ!」
「それをいうのはまだ早い。・・・それより、みてみろ」
破壊され、空中分解していくキングクリムゾンに収納されていたのは、雷雲の中で破壊したはずのあの子。
「!!?・・・兄さん、まさか」
「・・・あぁ、もう完成していたんだろう」
ブラックハートmk-2。もう一機の「あの子」。
僕達のアイディアを離れ、僕達以上の研究者たちが技術を結集して作った、まったく新しい「あの子」。
「兄さん!僕達はもしかして、ここで・・・!」
「うろたえるな、ジェイ!僕にとっておきの策があるんだ」
ジェイに早く伝えなければ!
そうこうしているうちに、子分が僕達に襲いかかってくる・・・!
・ブラックハートmk-2戦~Stub and Stomp!
子分たちを撃墜した後に待っていたのは、決戦だろうか、死闘だろうか、それとも、天下分け目の戦いだろうか。
いや、違う。
僕達に待っているのは、史上最強の爆撃戦闘機ーーブラックハートmk-2とのドッグファイト。
今こんなことを考えている場合ではないけど、何十年、何百年かの時を経た時は置いといて、何千年も時を経た後世の歴史家はどう評価するだろうか?
僕は、決して良い評価は下さないだろう。と思う。
なぜか、って?
それはね。いつも歴史家というものは、国家という体に、民という細胞は勝てない、と思いこんでいる。
僕達兄弟がもし、ブラックハートに勝ち、グロスウィードを破壊し、連邦国家にとどめを刺したとしよう。
すると、彼らはこういうのさ。
「そんなの歴史的にあり得ない。ウェイン兄弟は後世の人々が作った架空の人物である」と。
きっと、僕らはその時代になるまで、語り継がれないだろう。
人々の記憶からは忘れ去られ。
ある程度信頼のできる史書から僕達の名前は消え。
総ての発明品、その中のガレッガシリーズも朽ちていることだろう。
だけど、僕達はいっこうにかまわない。
僕達は、この時代を生きた。
別に、今を生きる人間に、もともと後世なんて関係ない。あとは、未来人に任せる。
・・・恒久平和?保証できないね。
その後のことは、その後に生きる人々にかかっているんだ。僕達は今を生きることだけが、使命だ。
「兄さん、僕がおとりになる。前みたいに僕が主体となって攻撃を打ち込むんだ」
緊張の中で弟の声が聞こえる。
「だめだ。この兄がおとりになる。そもそも、mk-2が「あの子」とワインダー以外の同じ攻撃をするわけがない。あの、僕たちをなんとしてもつぶしておきたい連邦が、そんな手抜き製造をしないだろう。やつらは絶対、攻撃パターンを変えてくる。とにかくジェイはあの子に援護攻撃を打ち込むことに専念するんだ」
「そっちこそ、だめだよ。あのときみたいに、僕がおとりにならなきゃ、兄さんが死ぬかもしれないんだよ?そんなの僕イヤだ、イヤだよぉ・・・」
「ジェイ!!!!」
僕は、弟に強く言う。
「この兄は、絶対生きて帰る。必ず絶対に。・・・そう、今約束する。だから、ジェイ、安心して。ジェイはあの子に攻撃を打ち込むことに集中するんだ」
「兄さん!」
「さあ、あの子の横に出て!ゴールデンバットのオプションを右方設定にして、あの子に攻撃を打ち込むという、僕の援護をつとめるんだっ!」
僕は弟のゴールデンバットにあの子の左方に移動するよう命令し、愛機・シルバーソードを操り、あの子の前(相手からすれば後方)に出た。
僕達は、あの子ーーブラックハートシリーズが20分しか動かないように、そして、後方と下方だけに強く作り、そのほかを考慮せず、または後に回すことをメモに残した。
連邦は絶対、そのメモを鵜呑みに、あの子を作っただろう。今の技術では、そうでもしないとあの子を最強に作れない。そのことは連邦も百も承知だろう。
・・・僕達の生きる「現代」はものすごく発展途上なのだから。
「さあ、ここからが本番だっ!」
僕が攻撃を打ち込みはじめて、最初に遭遇したのは、ブラックハートmk-2のバラマキ弾。
それらを破壊して、打ち込み続ける僕。そして、多くの攻撃をスルーして、遭遇するのはワインダー。
「兄さん!」
ガガガガガガガガガガガガガガガガッ!
「ふぅ、危ない」
僕は、ワインダーを無印と同じ時のように、避けていく。
しかし、寸分の狂いも許されない。
少し間違えば、確実に、僕はあの世行きだ。
「兄さぁん!!!!もう!!!!本当あぶなっかしんだから!!!!!!」
「ごめんよジェイ。でも、今は次の攻撃に備えないと」
無印の時にワインダーの避け方はもう、見切った。
あとは、そのほかの攻撃をうまく避けながら、ショットを打ち込むだけだ。破壊可能弾がじゃまだけど、しかたない。僕達は、とにかくあの子を倒して、グロスウィードにたどり着くしかない。
「兄さん!横から攻撃しかできない僕を許して!」
「ジェイ、それで十分だ。僕は大丈夫。そして、あとは。破壊可能弾、規則的なばらまき弾、ワインダー・・・。無印の時に、パターンは完全に覚えたしね。あとは、あの堅いあの子に攻撃を打ち込み続けるだけだ。・・・でも、僕がただ一つ、心配なのは」
「・・・兄さん?・・・心配って?」
「・・・あの子がシルバーソードの攻撃で破壊されるか、それとも、シルバーソードの耐久力がグロスウィードまで持つか、だ」
あの子はいっこうに攻撃をやめない。前に行ったようにパターンは完全に、見切っている。
あとは、ガレッガシリーズの中で二番目に脆いシルバーソードの耐久力が、あの子の攻撃に耐えられるか?・・・それだけだ。
「さあ!来い!ブラックハート!」
あの子は、またワインダーを仕掛けてきた。
動きを束縛することで、彼女が見せる優越感。
本当に質(たち)の悪い子だ。
しかし、さっきと同じパターン。僕は何とか避ける。
そして、その後にあの子に何かが起きた。
彼女の左側が傾き始めたのだ。あの子の燃料がかなり少なくなってきたのかもしれない。シルバーソードのコックピットに内蔵された時計を見ると、もう15分以上経っていた。・・・でも、それ以上に弟が貢献していた。
「兄さん!これが、僕が兄さんにできる今、唯一のこと!」
ジェイは、オプションの固定攻撃を確立した。
そして、僕が密かにシステムに組み込んだ、戦闘機の火力を上げるスペシャルパワーアップを僕の知らない間に発動していたらしいのだ。
パワーアップはともかく、オプションの固定攻撃、なぜそれができるかって?
ガレッガシリーズのオプションシステムは、すべて僕ブライアンの弟ジェイの作品なんだ。
ジェイがいなければ、ガレッガシリーズにオプションはつかなかっただろう。
それくらい、ジェイはオプションを知り尽くしている。
僕はジェイが、「」の通常フォーメーションと「ホーミング・サーチ・ワイド」の「スペシャルフォーメーション」と呼ばれるものをオプションシステムに組み込んだことを知っている。
というより、今は。
「ジェ~イ!うそついてたな!僕、もう限界だ、なんてっ!こんな大事な場面で兄をだまして!」
「ごめんごめん、それより、そんなことより。兄さん、敵を欺くにはまず味方からっていうよね」
「敵に策を知られていないのに、そんなことして何になる!あと、スペシャルパワーアップはなぜ知っている?」
「兄さんのガレッガシリーズの設計図、兄さんが留守にしてるとき、読み込んでるってくらい読んだんだ」
「・・・なにもいえないな」
僕は参った。うちの弟が兄である僕に隠し事をするような奴じゃ・・・。あっ。兄弟なら誰でもするか。まあ、いい。今はあの子を倒すのが先だ。
「兄さん!左方に集中砲火!」
「わかってる!」
僕たち兄弟は、あの子の左にありったけの攻撃をたたき込んだ。
五分もしないうちに、あの子はだんだんバランスを崩して、重力にしたがい、フラフラとダッチロール飛行を始めた。
そして、ジャスト五分。あの子は20分の制限時間を超過し、燃料がつきて、完全にエンジンが動かなくなる。
「やったね!兄さん!」
・・・あの子は完全に墜落し、そして、この大地の重力があの子をただただ長い連邦の秘密滑走路に叩きつけた。
「ブラックハート・・・、いい子だったのに」
「他人製とはいえ、ほんの少し僕たちの作品だから、余計に悲しいよね」
「あの子が生まれ変わったら、きっと平和のための機械になってくれるさ。・・・!!!ジェイぃぃ!!それより、そんなことより!!!!!グロスクイード!!!!!」
「!!!!ああーーー!!!!!!」
良質
グロスクイード戦~Erupter
大物
僕達兄弟は、全速力でグロスクイードを追いかけた。最後のあがきのように、数体の雑魚が襲いかかるも、それをすべて倒した、そのあと。ウェイン兄弟による謀反の結果、ただ一つ残ったーーーグロスクイード。すなわち連邦国家軍総大将は僕たちの目の前に姿を現した。
「あれがグロスウィード・・・」
「ジェイ、これで最後だな。あいつを倒せば、僕たちは連邦をつぶせるんだ」
「・・・それより、兄さん・・・。大丈夫?」
「ああ、大丈夫さ」
ジェイは、僕のシルバーソードの耐久力を心配していた。
前にも行ったように、僕の愛機・シルバーソードはグラスホッパーやフライングバロンの次にもろい。そして、海上要塞で補給した燃料も、もう三分の一しかない。
・・・でも、やるしかないんだ。
「いいか、ジェイ。僕の策をよく聞くんだ」
「・・・兄さん?」
*
兄さんは、僕に作戦を伝えてくれた。
その作戦とは、スペシャルパワーアップをしたゴールデンバットだけを対峙させ、シルバーソードと兄さんをかなり後ろに下げて、グロスウィードとは、ゴールデンバットと僕だけが戦うというものだ。
もちろん、僕はその作戦に全面賛成だ。
だけれども、一つ心配なことがある。
それは、いくらスペシャルパワーアップしたゴールデンバットといえども、攻撃力は足りるのか?ということ。
シルバーソードは後方にいるから、攻撃には自由に参加できない。
・・・ああ!こんなことなら、シルバーソードのオプションをもっと強く制作すればよかった。それから、スペシャルフォーメーションの存在のことも教えればよかった。
きっと兄さんは、最強のフォーメーション・ホーミングの発動の仕方も知らないだろう。
本当に大丈夫かな、兄さん・・・。
「さあっ!これが最後の戦だ!来るがいいっ!グロスウィード!!!!」
僕はほぼひとりで、最後の残党と対峙する。
もし、ここで死んでも悔いはない。そのくらい、一所懸命に戦い抜く。絶対に。
まず、手始めの攻撃は大小二種類のバラマキ攻撃弾。
この、あまりにもアトランダムな攻撃は、きっと兄さんでも見切るのはキツいだろう。
僕は、目前の弾をアドリブで避けていくけれども、その中にとんでもない攻撃が加わりだした。
それは、小さなアームから繰り出される炸裂弾。
「わ、わ、なんて複雑な攻撃っ」
僕は兄さんほど、謀略とか推理とか、理論的に考えるのが得意じゃない。だから、兄さんに頼ってきたのだけれども。
「やっぱ兄さんがいないと、僕はだめだ」
僕がこういうことを考えた、そういうときに、思いがけないことが起きたんだ。
「・・・ジェイ。これが僕にできる、今唯一のことだ」
僕とゴールデンバットの前に現れたのは、スペシャルフォーメーション・ホーミングモードに切り替えたシルバーソードのオプションだった。
「兄さん!どういうことなの!?」
「ジェイ、今まで隠していてごめん。僕、実はオプションのシステムをジェイに黙って、リバース・エンジニアリングしていたんだ。本当にすまないよ。でも、おかげで、ジェイの技術がすごいことが、この兄にもわかったけどね」
「こっちこそ、ごめんよぉ~!兄さんがオプションシステムの構造を知りたかったら、こっちが手取り足取り教えたのに~!!!!」
「ごめんよ。ごめん。ジェイ」
「!、兄さん!!!!また攻撃がきた!!!!」
次は、波状攻撃がきた。
これはとても避け方が分かりやすく、苦労せずにやりすごすことができた。
「さすが、我が弟。だな」
「そういう兄さんは、涼しい顔でホーミング攻撃してるだけでいいなんて、ホントいい身分だよねー」
「ブーッ!」というブーイングが聞こえた気がしたけど、今はそれどころじゃない。
今は、打ち込みを続けよう。
『・・・ジェイ、僕はこんなことしかできない。ホントごめんよ』
(5分後)
そして、それから5分たった後に、グロスクイードに変化が現れた。
外殻部分が崩れ、本当の中核部分が露わになったのだ。
「ジェイ、あの中には十数人しか乗っていないだろうな」
「兄さん、なんでわかるの?」
「え?だってそうだろ?本当に国を運営するために必要なのはそのくらいだからさ。ほんの少数だけが支配権を濫用できるんだよ。だから、洋の東西問わずいつの世も民を無視することができるんだ。止める奴も反対する奴も、全部閉め出してね」
「・・・そうか。だから、こいつを落とせば、もうすぐ、終わりがくるのか。僕達も、連邦の住人も、みんな喜ぶような終わりが。」
「そうさ。だから、ジェイ。これが、僕達ウェイン兄弟が紬出す歴史の一ページだ。気を引き締めていこうよ」
「うん!兄さん!」
僕たちが攻撃をしている最中にも関わらず、
じたばたと、まな板のような魚のような暴れ方、攻撃をするグロスクイード。
もうとっくに、僕はさっきボムを使いあげた。
あとは、攻撃しながら粘るしかないのだ。
その前に、シルバーソードの耐久力の方が心配だけど、
仕方ない。
今は、今のことに集中して、事をこなすしかないんだ。
それに、兄さんのホーミングもある。
・・・きっと、最後まで天が味方してくれる。そう思うしかない。
「・・・攻撃の最中に、ジェイ、僕思い出したんだ。初めて飛行機を創ったときのこと。僕が17歳の時だっけ」
「兄さん、何で今思い出すの?」
「わからない。でも懐かしいんだ。あのころが・・・。あの無邪気に、人を殺傷する兵器じゃなくて、自分の好きなモノーー飛行機や車だけを造っていくだけで良かった、あのころが。・・・どうして、もっと早く気がつかなかったんだろうね?・・・もっと早く気がつけば、誰も一人も死なずにすんだし、それに・・・」
「・・・兄さん?」
「何の罪も背負わずに、田舎でのうのうと天寿を全うできたのに、本当にバカな男だ。・・・僕は。」
「兄さんがバカな男なら、僕はその兄より大バカだ。あのとき浮かれずに、兄さんに意見していれば、僕より賢い兄さんは、考え直してくれたかもしれないのに。」
「「・・・・・・・・・」」
「ジェイ、これが愚者の後知恵ってやつだよ。そんなことより、僕たちは前だけを向いて、未来へ進むしかないんだ」
やがて、僕達の話が終わる頃に、グロスクイードに亀裂が走ったようだった。
その後、グロスクイードは大破して、跡形もなくスクラップになり、中にいた連邦の支配者達は地面へとたたきつけれられることは確実だった。
でも、それより、そんなことより。
今ここに、僕達は連邦に勝利したのだ!
「・・・・・・・やったぞ!!!!!ジェイ!!!!!!」
「兄さん!!!!!やったね!!!!!!!」
エンディング~Blood Brother in the Dawn
空に浮かぶ二機の戦闘機。その中に、戦争の勝利者は搭乗していた。
「もう、連邦はない。つまり、僕達の勝利なんだ」
ブライアンが勝利宣言を弟に告げる。
たった二人だけの謀反。自分達の子供達を葬る戦争。
その二つの実現が、絶対無理だろうとおもわれても、天が味方してくれた。
「兄さん、なんか不思議な感じだね。僕達はたった二人なのに、何万という連邦の兵数に勝ったんだ。あまりにも、奇跡に近い不思議さだよ。どうして、天は僕達にこんなにものすごく味方してくれたんだろう、って」
「それは、僕達の思いを天がくみ取ってくれたからさ・・・。それにつきる。それよりさ、ジェイ。もうシルバーソードの燃料もそんなにない。帰ろう?」
「うん!」
夜明けより一足先に目が覚めた鳥達が、地上へと極限まで疲弊したシルバーソードとゴールデンバットをエスコートしてくれる。
((・・・もしかしたら、僕達の物語はまだ終わりじゃないかもしれないけれど。))
それでも、一歩づつ。千里の道へ。前を向いて未来へ歩いていこう。
僕達はもう、自由で罪を・・・・・もちろん、完全とはいえないけれど・・・・・償ったのだから。
さあ、グラスホッパーとフライングバロンの待つ、田舎の工場へと帰ろう。
ーーこの戦争で、僕達兄弟はほんとうに、人工物ーー特に機械の恐ろしさ、戦争のおろかさ、人との絆の大切さを身を持って学んだのだから。
ーーーーThe End.
1 100,0000
2 800,0000
3 700,0000
GAME OVER!
※バトルガレッガ二次創作
・六面~Megalomaniac
僕達の気分は完全に、180度ぐるりと変わった。
今まで、僕達兄弟は正直言うとそんな明るい性格じゃない。
でも、緊張をほぐすために冗談を言い合っていたんだ。
もちろん、僕らの破壊してきた機械(大中小問わず)に
人が乗っていることはわかっている。
破壊すれば即、人が死ぬこともわかっている。
その感覚を、イヤでもかき消すために、今まで心明るく進んできたんだ。
でも、もう、・・・だめだ。・・・もう限界だ。
・・・連邦国家首都。
そこには、僕達が働いていた頃の面影は全くない。
具体的にいえば、都には大きな住宅街、古き良き首都機能をそろえた区の隣には鳥や生き物がたくさん住む森や養分豊かな湖や川が広がっていた。
・・・その自然の田舎と都会の境界線が薄かった頃の面影が全くないのだ。
その都は完全に機械化・要塞化され、重金属などを含んだ排水が川や湖を濁らせ、排気ガスが空気を濁らし、もう完全に自然が排斥され、機械と人間と不自然しかない世界。
・・・もちろん、僕たちの責任もある。
僕たちが連邦をここまで発展させなければ、隣国にも連邦周辺の木々や動物たちにも迷惑をかけなかっただろう。
僕達のあまりにも偉大すぎる才能と天井知らずの愚かさと未来に対する無知。
・・・そして、なにより「ウェイン兄弟」という存在が、
・・・連邦を、大陸を、人々との自然との関係を、
・・・至極悪い方向に変えたんだ。
「・・・・・・ジェイ、聞こえるか?ああ、主よ許したまえ。僕達がいなければ、僕達が天才でなければ、僕達が有能でなければ、僕達が連邦に関わらなければ、そして、僕達が自然を敬い、道理という流れに従うタオイストであれば・・・・・」
「ああ、僕たちは、どうして、なんて、本当にバカなんだろうっ!!!・・・兄さん、僕たちは本当に・・・何なんだろうね」
「・・・僕にはこれだけはわかる。確実にウェイン兄弟は「決して神に使わされた存在」でない、ということだけが」
・・・本当に居心地の悪い場所だった。
不自然なほどに戦車や飛行機などの機械ばかりで、今にも目眩がしそうだ。
僕達の働いていたころの首都は、少し街を抜ければ森や川があり、そこでリラックスできたのに。
今はそんなこともできないくらい、連邦の首都は機械しかいない要塞と化している。
無機質、不自然、退廃・・・
もうそれしかない要塞を駆け抜ける先兵として先をいく、ゴールデンバットの目の前に、
最新鋭の性能の良いミサイルを発射する四つの砲台といくつもの副砲台が待ちかまえていて、それらが僕に容赦なく攻撃する。
「ジェイ、僕が君と一緒に前線で戦えないのはもうしわけないな」
「兄さんこそ、下手に前にでたら死ぬんじゃないか?シルバーソードはあまり攻撃力ないし」
「なにをっー!っといいたいところだが、今こっちも小競り合いで忙しくて、なにも言い返せないのがつらいな」
兄さんと話をしながら、僕は持ち前の気合いと機転によって、主と副を問わず砲台を総て破壊する。
もう、一つの壁は越えたと思う。
しかし、それでも。
「ジェイ、みてみなよ。いつの間にあんなの作ったんだろう」
兄さんが比較的遠方から指摘したのは、この時代の技術にはふさわしくないビーム砲。
たぶん連邦は、この兵器に多額の費用をかけていると思うのだが、僕達のあたり判定は小さいし、ターゲットを定める方法は自機狙いの上に、発動が遅いので、僕はボムとショットを併用して、砲台を使いモノにならなくする。
「ジェイ、僕の分もありがとね」
「兄さん、あれは僕がじゃまと思うからなだけ」
「ふーん。そうかい」
僕らが気を取られていない内も、戦車が次々にでてくる。
「兄さん。どうすれば、戦車うじゃうじゃが止まるんだろうね」
「むーーん・・・、そうだね。前にもこういうのあったような。・・・あっ、あれだ。海の時のあれ。ボムを使うんだ。ジェイのサーチファイアー(ボム)で戦車とその入り口を焼き溶かすのさ」
「なるほど」
早速、兄さんが教えてくれた作戦を実行に移す。
その方法とは、戦車の出現する入り口に向かって、ボムを発射するボタンを短い間押す。
すると、サーチファイアーの超高熱が、鋼鉄でできた戦車と入り口を溶かす。そして、超高熱を受けたそれらは、あとの戦車がつっかえるような鉄の塊と化す。
「ジェイ、よくできたな」
「兄さん、作戦の提案ありがとう」
「そんなことより、つぎ、つぎ」
弟の切り込みで、戦車はつぎつぎとつっかえ、砲台もどんどん壊れていく。
「なかなかやるじゃないか!その調子!その調子!」
「兄さぁん、もうボムがないよ」
「じゃあ僕がやるって。・・・おっ、ジェイ、あれ見て」
兄さんが指摘した、その先には、僕達兄弟に懐かしいものがあった。
「あれって、もしかして・・・」
ジャンキーモンキー。地雷を埋めるだけの戦争用機械。
そして、その前にあるのは、彼を守る前座的砲台。
「あまりにもジャンクすぎるよね、僕が作っといてなんだけど」
兄さんが片手間で作ると、こうなるという典型。
だいたい、男というものは並列作業や思考というものが苦手だと聞いたことがある。
ジャンキーモンキーを作っていたそのころは、連邦からこれでもかっというほどに、兵器製造の注文が殺到し、どうしても10もの並列作業をこなさなければならないほどに、
ものすごく忙しかった。
・・・どういえばいいのかな。なんかこう、キリスト降誕祭と復活祭が同時にやってきたみたいな忙しさ。
まあ、そのおかげで僕たちは、このときにたんまり稼いで、裕福な生活をおくれるようになったわけだけど。
「やっぱ男という生き物、一つのことに打ち込んで生きていかねばいけませんなー!」
「兄さん、それ言い訳になってない、それより、前」
「ああ、僕が砲台と戦車を退治するね」
シルバーソードが前座を一網打尽にしていく。
その間に僕は、ジャンキモンキーが戦闘準備を整えていくところを見ながら、攻撃を開始するタイミングを計る。
「ジェイ!連邦が追加した複数の砲台に気をつけるんだ!その砲台は僕がやっつける!」
兄さんのいうとおりに、確かに連邦が追加したと思われる、複数の砲台に気をつけながら、ジャンキーモンキー
本体に攻撃を打ち込んでいく。
「よし!本体にきいてるぞっ!ってあれ?」
本体にかなりダメージがいくようになると、ジャンキーモンキーからアームが生えてきた。
・・・なんかシュールな光景。
「地雷を埋めるために、腕が必要なんだ」
「まあ、人にやらせるよりは効率よくできるし、なにより安全だろう・・・だけれども。なんか不格好」
「デザインは気にするな」
僕はあまりにも、兄さんのデザインは適当すぎると思った。特に、腕を後ろに振りあげて、万歳する時。
そのたびに僕は、「うへぇ」ってなる。
他に説明のしようがないけれど、
・・・そのくらい、ナンセンス。
「ジェイ~!二番目の失敗作を許しておくれ~!」
「はいはい、兄さん。うるさい。そんなこという暇があったら、攻撃に参加してよ」
「わかった、今そっちいくよ!」
「ごめんなさい。もう終わりました」
「アルェ~?」
ゴールデンバットの猛攻(?)が利いたのか、ジャンキーモンキーは完全に倒される。
失敗作が完全に沈んで、兄さんもさぞかし嬉しいだろう・・・?
「やっぱ、だめな子ほどかわいいね。なんか惜しい気分だよ」
「・・・兄さん。もうー。それだから、いつまでたっても昔の作品捨てられないんじゃないか。もう少し考え方変えたら?」
「あのね、ジェイ。かわいいものはかわいいんだよ。それはずっと変わらない。・・・さあ、ジェイ。僕たちが首都に侵攻して、かなり大暴れしたことで、連邦はかなり混乱しているだろう。きっと、お偉いさんはなんとしても逃げて、生き延びようとするだろう。・・・奴らは主任時代の僕達に、秘密滑走路の存在を教えたことを、絶対後悔するさ。じゃあ、いこうか。奴らの墓場、秘密滑走路へ!」
GO Next Stage!
・七面~Marginal Conciousness
ーー連邦国家はほぼ壊滅した。
なのに、上層部はまだ悪あがきをしている。
僕達が完全に制作したことを忘れていた「キングクリムゾン」という移動シェルターに乗って、行き先を決めていない逃亡を始める。
だから、上層部を皆殺しにしなければ、きっと連邦国家は生存し続けるだろう。・・・なんかイヤな気分だ。
・・・でも、しかし。僕達はもう十分に手を汚したんじゃないか・・・?。多くの重く様々な悪業(カルマ)と今生では償いきれない過ちを残しながら・・・。
「兄さん。もうこれで連邦は終わりだね」
これで、最後の大詰め。
もちろん、僕達兄弟は最後まで気を抜かない。
どんな強敵や障壁が現れようとも、最後まで戦い抜く覚悟だ。
「やっと来たか・・・」
目の前に現れるキングクリムゾン。
その中に、連邦の上層部はみんな大挙して乗っている。
兄さんの提案に沿って、僕達兄弟は砲台を壊しながら、キングクリムゾンをだめにすることにした。
「あ、あれがグロウスクイード!」
「ジェイ、あいつを追いかけるんだ!」
しかし、先を阻むのがキングクリムゾン。
その機体から、多くの紅い小さな戦闘機が次々と襲撃をかけてくる。
「兄さん!僕、思い出したんだ。この白いパーツを壊せば、この子は完全に壊れる」
「ジェイ!サンキュー!」
僕は、戦闘機を破壊することを弟に任せて、自分は白いパーツに攻撃を打ち込むことに専念する。
「兄さん、敵のスピードが速まってきたよ!僕ももうげ・・・」
「そこを何とかっ!ジェイぃ!頼むっ!」
ーー運のいいことに、そうして、パーツの限界。
キングクリムゾンは完全に破壊された。
「やったね!兄さん!天が僕達に味方してくれたんだ!」
「それをいうのはまだ早い。・・・それより、みてみろ」
破壊され、空中分解していくキングクリムゾンに収納されていたのは、雷雲の中で破壊したはずのあの子。
「!!?・・・兄さん、まさか」
「・・・あぁ、もう完成していたんだろう」
ブラックハートmk-2。もう一機の「あの子」。
僕達のアイディアを離れ、僕達以上の研究者たちが技術を結集して作った、まったく新しい「あの子」。
「兄さん!僕達はもしかして、ここで・・・!」
「うろたえるな、ジェイ!僕にとっておきの策があるんだ」
ジェイに早く伝えなければ!
そうこうしているうちに、子分が僕達に襲いかかってくる・・・!
・ブラックハートmk-2戦~Stub and Stomp!
子分たちを撃墜した後に待っていたのは、決戦だろうか、死闘だろうか、それとも、天下分け目の戦いだろうか。
いや、違う。
僕達に待っているのは、史上最強の爆撃戦闘機ーーブラックハートmk-2とのドッグファイト。
今こんなことを考えている場合ではないけど、何十年、何百年かの時を経た時は置いといて、何千年も時を経た後世の歴史家はどう評価するだろうか?
僕は、決して良い評価は下さないだろう。と思う。
なぜか、って?
それはね。いつも歴史家というものは、国家という体に、民という細胞は勝てない、と思いこんでいる。
僕達兄弟がもし、ブラックハートに勝ち、グロスウィードを破壊し、連邦国家にとどめを刺したとしよう。
すると、彼らはこういうのさ。
「そんなの歴史的にあり得ない。ウェイン兄弟は後世の人々が作った架空の人物である」と。
きっと、僕らはその時代になるまで、語り継がれないだろう。
人々の記憶からは忘れ去られ。
ある程度信頼のできる史書から僕達の名前は消え。
総ての発明品、その中のガレッガシリーズも朽ちていることだろう。
だけど、僕達はいっこうにかまわない。
僕達は、この時代を生きた。
別に、今を生きる人間に、もともと後世なんて関係ない。あとは、未来人に任せる。
・・・恒久平和?保証できないね。
その後のことは、その後に生きる人々にかかっているんだ。僕達は今を生きることだけが、使命だ。
「兄さん、僕がおとりになる。前みたいに僕が主体となって攻撃を打ち込むんだ」
緊張の中で弟の声が聞こえる。
「だめだ。この兄がおとりになる。そもそも、mk-2が「あの子」とワインダー以外の同じ攻撃をするわけがない。あの、僕たちをなんとしてもつぶしておきたい連邦が、そんな手抜き製造をしないだろう。やつらは絶対、攻撃パターンを変えてくる。とにかくジェイはあの子に援護攻撃を打ち込むことに専念するんだ」
「そっちこそ、だめだよ。あのときみたいに、僕がおとりにならなきゃ、兄さんが死ぬかもしれないんだよ?そんなの僕イヤだ、イヤだよぉ・・・」
「ジェイ!!!!」
僕は、弟に強く言う。
「この兄は、絶対生きて帰る。必ず絶対に。・・・そう、今約束する。だから、ジェイ、安心して。ジェイはあの子に攻撃を打ち込むことに集中するんだ」
「兄さん!」
「さあ、あの子の横に出て!ゴールデンバットのオプションを右方設定にして、あの子に攻撃を打ち込むという、僕の援護をつとめるんだっ!」
僕は弟のゴールデンバットにあの子の左方に移動するよう命令し、愛機・シルバーソードを操り、あの子の前(相手からすれば後方)に出た。
僕達は、あの子ーーブラックハートシリーズが20分しか動かないように、そして、後方と下方だけに強く作り、そのほかを考慮せず、または後に回すことをメモに残した。
連邦は絶対、そのメモを鵜呑みに、あの子を作っただろう。今の技術では、そうでもしないとあの子を最強に作れない。そのことは連邦も百も承知だろう。
・・・僕達の生きる「現代」はものすごく発展途上なのだから。
「さあ、ここからが本番だっ!」
僕が攻撃を打ち込みはじめて、最初に遭遇したのは、ブラックハートmk-2のバラマキ弾。
それらを破壊して、打ち込み続ける僕。そして、多くの攻撃をスルーして、遭遇するのはワインダー。
「兄さん!」
ガガガガガガガガガガガガガガガガッ!
「ふぅ、危ない」
僕は、ワインダーを無印と同じ時のように、避けていく。
しかし、寸分の狂いも許されない。
少し間違えば、確実に、僕はあの世行きだ。
「兄さぁん!!!!もう!!!!本当あぶなっかしんだから!!!!!!」
「ごめんよジェイ。でも、今は次の攻撃に備えないと」
無印の時にワインダーの避け方はもう、見切った。
あとは、そのほかの攻撃をうまく避けながら、ショットを打ち込むだけだ。破壊可能弾がじゃまだけど、しかたない。僕達は、とにかくあの子を倒して、グロスウィードにたどり着くしかない。
「兄さん!横から攻撃しかできない僕を許して!」
「ジェイ、それで十分だ。僕は大丈夫。そして、あとは。破壊可能弾、規則的なばらまき弾、ワインダー・・・。無印の時に、パターンは完全に覚えたしね。あとは、あの堅いあの子に攻撃を打ち込み続けるだけだ。・・・でも、僕がただ一つ、心配なのは」
「・・・兄さん?・・・心配って?」
「・・・あの子がシルバーソードの攻撃で破壊されるか、それとも、シルバーソードの耐久力がグロスウィードまで持つか、だ」
あの子はいっこうに攻撃をやめない。前に行ったようにパターンは完全に、見切っている。
あとは、ガレッガシリーズの中で二番目に脆いシルバーソードの耐久力が、あの子の攻撃に耐えられるか?・・・それだけだ。
「さあ!来い!ブラックハート!」
あの子は、またワインダーを仕掛けてきた。
動きを束縛することで、彼女が見せる優越感。
本当に質(たち)の悪い子だ。
しかし、さっきと同じパターン。僕は何とか避ける。
そして、その後にあの子に何かが起きた。
彼女の左側が傾き始めたのだ。あの子の燃料がかなり少なくなってきたのかもしれない。シルバーソードのコックピットに内蔵された時計を見ると、もう15分以上経っていた。・・・でも、それ以上に弟が貢献していた。
「兄さん!これが、僕が兄さんにできる今、唯一のこと!」
ジェイは、オプションの固定攻撃を確立した。
そして、僕が密かにシステムに組み込んだ、戦闘機の火力を上げるスペシャルパワーアップを僕の知らない間に発動していたらしいのだ。
パワーアップはともかく、オプションの固定攻撃、なぜそれができるかって?
ガレッガシリーズのオプションシステムは、すべて僕ブライアンの弟ジェイの作品なんだ。
ジェイがいなければ、ガレッガシリーズにオプションはつかなかっただろう。
それくらい、ジェイはオプションを知り尽くしている。
僕はジェイが、「」の通常フォーメーションと「ホーミング・サーチ・ワイド」の「スペシャルフォーメーション」と呼ばれるものをオプションシステムに組み込んだことを知っている。
というより、今は。
「ジェ~イ!うそついてたな!僕、もう限界だ、なんてっ!こんな大事な場面で兄をだまして!」
「ごめんごめん、それより、そんなことより。兄さん、敵を欺くにはまず味方からっていうよね」
「敵に策を知られていないのに、そんなことして何になる!あと、スペシャルパワーアップはなぜ知っている?」
「兄さんのガレッガシリーズの設計図、兄さんが留守にしてるとき、読み込んでるってくらい読んだんだ」
「・・・なにもいえないな」
僕は参った。うちの弟が兄である僕に隠し事をするような奴じゃ・・・。あっ。兄弟なら誰でもするか。まあ、いい。今はあの子を倒すのが先だ。
「兄さん!左方に集中砲火!」
「わかってる!」
僕たち兄弟は、あの子の左にありったけの攻撃をたたき込んだ。
五分もしないうちに、あの子はだんだんバランスを崩して、重力にしたがい、フラフラとダッチロール飛行を始めた。
そして、ジャスト五分。あの子は20分の制限時間を超過し、燃料がつきて、完全にエンジンが動かなくなる。
「やったね!兄さん!」
・・・あの子は完全に墜落し、そして、この大地の重力があの子をただただ長い連邦の秘密滑走路に叩きつけた。
「ブラックハート・・・、いい子だったのに」
「他人製とはいえ、ほんの少し僕たちの作品だから、余計に悲しいよね」
「あの子が生まれ変わったら、きっと平和のための機械になってくれるさ。・・・!!!ジェイぃぃ!!それより、そんなことより!!!!!グロスクイード!!!!!」
「!!!!ああーーー!!!!!!」
良質
グロスクイード戦~Erupter
大物
僕達兄弟は、全速力でグロスクイードを追いかけた。最後のあがきのように、数体の雑魚が襲いかかるも、それをすべて倒した、そのあと。ウェイン兄弟による謀反の結果、ただ一つ残ったーーーグロスクイード。すなわち連邦国家軍総大将は僕たちの目の前に姿を現した。
「あれがグロスウィード・・・」
「ジェイ、これで最後だな。あいつを倒せば、僕たちは連邦をつぶせるんだ」
「・・・それより、兄さん・・・。大丈夫?」
「ああ、大丈夫さ」
ジェイは、僕のシルバーソードの耐久力を心配していた。
前にも行ったように、僕の愛機・シルバーソードはグラスホッパーやフライングバロンの次にもろい。そして、海上要塞で補給した燃料も、もう三分の一しかない。
・・・でも、やるしかないんだ。
「いいか、ジェイ。僕の策をよく聞くんだ」
「・・・兄さん?」
*
兄さんは、僕に作戦を伝えてくれた。
その作戦とは、スペシャルパワーアップをしたゴールデンバットだけを対峙させ、シルバーソードと兄さんをかなり後ろに下げて、グロスウィードとは、ゴールデンバットと僕だけが戦うというものだ。
もちろん、僕はその作戦に全面賛成だ。
だけれども、一つ心配なことがある。
それは、いくらスペシャルパワーアップしたゴールデンバットといえども、攻撃力は足りるのか?ということ。
シルバーソードは後方にいるから、攻撃には自由に参加できない。
・・・ああ!こんなことなら、シルバーソードのオプションをもっと強く制作すればよかった。それから、スペシャルフォーメーションの存在のことも教えればよかった。
きっと兄さんは、最強のフォーメーション・ホーミングの発動の仕方も知らないだろう。
本当に大丈夫かな、兄さん・・・。
「さあっ!これが最後の戦だ!来るがいいっ!グロスウィード!!!!」
僕はほぼひとりで、最後の残党と対峙する。
もし、ここで死んでも悔いはない。そのくらい、一所懸命に戦い抜く。絶対に。
まず、手始めの攻撃は大小二種類のバラマキ攻撃弾。
この、あまりにもアトランダムな攻撃は、きっと兄さんでも見切るのはキツいだろう。
僕は、目前の弾をアドリブで避けていくけれども、その中にとんでもない攻撃が加わりだした。
それは、小さなアームから繰り出される炸裂弾。
「わ、わ、なんて複雑な攻撃っ」
僕は兄さんほど、謀略とか推理とか、理論的に考えるのが得意じゃない。だから、兄さんに頼ってきたのだけれども。
「やっぱ兄さんがいないと、僕はだめだ」
僕がこういうことを考えた、そういうときに、思いがけないことが起きたんだ。
「・・・ジェイ。これが僕にできる、今唯一のことだ」
僕とゴールデンバットの前に現れたのは、スペシャルフォーメーション・ホーミングモードに切り替えたシルバーソードのオプションだった。
「兄さん!どういうことなの!?」
「ジェイ、今まで隠していてごめん。僕、実はオプションのシステムをジェイに黙って、リバース・エンジニアリングしていたんだ。本当にすまないよ。でも、おかげで、ジェイの技術がすごいことが、この兄にもわかったけどね」
「こっちこそ、ごめんよぉ~!兄さんがオプションシステムの構造を知りたかったら、こっちが手取り足取り教えたのに~!!!!」
「ごめんよ。ごめん。ジェイ」
「!、兄さん!!!!また攻撃がきた!!!!」
次は、波状攻撃がきた。
これはとても避け方が分かりやすく、苦労せずにやりすごすことができた。
「さすが、我が弟。だな」
「そういう兄さんは、涼しい顔でホーミング攻撃してるだけでいいなんて、ホントいい身分だよねー」
「ブーッ!」というブーイングが聞こえた気がしたけど、今はそれどころじゃない。
今は、打ち込みを続けよう。
『・・・ジェイ、僕はこんなことしかできない。ホントごめんよ』
(5分後)
そして、それから5分たった後に、グロスクイードに変化が現れた。
外殻部分が崩れ、本当の中核部分が露わになったのだ。
「ジェイ、あの中には十数人しか乗っていないだろうな」
「兄さん、なんでわかるの?」
「え?だってそうだろ?本当に国を運営するために必要なのはそのくらいだからさ。ほんの少数だけが支配権を濫用できるんだよ。だから、洋の東西問わずいつの世も民を無視することができるんだ。止める奴も反対する奴も、全部閉め出してね」
「・・・そうか。だから、こいつを落とせば、もうすぐ、終わりがくるのか。僕達も、連邦の住人も、みんな喜ぶような終わりが。」
「そうさ。だから、ジェイ。これが、僕達ウェイン兄弟が紬出す歴史の一ページだ。気を引き締めていこうよ」
「うん!兄さん!」
僕たちが攻撃をしている最中にも関わらず、
じたばたと、まな板のような魚のような暴れ方、攻撃をするグロスクイード。
もうとっくに、僕はさっきボムを使いあげた。
あとは、攻撃しながら粘るしかないのだ。
その前に、シルバーソードの耐久力の方が心配だけど、
仕方ない。
今は、今のことに集中して、事をこなすしかないんだ。
それに、兄さんのホーミングもある。
・・・きっと、最後まで天が味方してくれる。そう思うしかない。
「・・・攻撃の最中に、ジェイ、僕思い出したんだ。初めて飛行機を創ったときのこと。僕が17歳の時だっけ」
「兄さん、何で今思い出すの?」
「わからない。でも懐かしいんだ。あのころが・・・。あの無邪気に、人を殺傷する兵器じゃなくて、自分の好きなモノーー飛行機や車だけを造っていくだけで良かった、あのころが。・・・どうして、もっと早く気がつかなかったんだろうね?・・・もっと早く気がつけば、誰も一人も死なずにすんだし、それに・・・」
「・・・兄さん?」
「何の罪も背負わずに、田舎でのうのうと天寿を全うできたのに、本当にバカな男だ。・・・僕は。」
「兄さんがバカな男なら、僕はその兄より大バカだ。あのとき浮かれずに、兄さんに意見していれば、僕より賢い兄さんは、考え直してくれたかもしれないのに。」
「「・・・・・・・・・」」
「ジェイ、これが愚者の後知恵ってやつだよ。そんなことより、僕たちは前だけを向いて、未来へ進むしかないんだ」
やがて、僕達の話が終わる頃に、グロスクイードに亀裂が走ったようだった。
その後、グロスクイードは大破して、跡形もなくスクラップになり、中にいた連邦の支配者達は地面へとたたきつけれられることは確実だった。
でも、それより、そんなことより。
今ここに、僕達は連邦に勝利したのだ!
「・・・・・・・やったぞ!!!!!ジェイ!!!!!!」
「兄さん!!!!!やったね!!!!!!!」
エンディング~Blood Brother in the Dawn
空に浮かぶ二機の戦闘機。その中に、戦争の勝利者は搭乗していた。
「もう、連邦はない。つまり、僕達の勝利なんだ」
ブライアンが勝利宣言を弟に告げる。
たった二人だけの謀反。自分達の子供達を葬る戦争。
その二つの実現が、絶対無理だろうとおもわれても、天が味方してくれた。
「兄さん、なんか不思議な感じだね。僕達はたった二人なのに、何万という連邦の兵数に勝ったんだ。あまりにも、奇跡に近い不思議さだよ。どうして、天は僕達にこんなにものすごく味方してくれたんだろう、って」
「それは、僕達の思いを天がくみ取ってくれたからさ・・・。それにつきる。それよりさ、ジェイ。もうシルバーソードの燃料もそんなにない。帰ろう?」
「うん!」
夜明けより一足先に目が覚めた鳥達が、地上へと極限まで疲弊したシルバーソードとゴールデンバットをエスコートしてくれる。
((・・・もしかしたら、僕達の物語はまだ終わりじゃないかもしれないけれど。))
それでも、一歩づつ。千里の道へ。前を向いて未来へ歩いていこう。
僕達はもう、自由で罪を・・・・・もちろん、完全とはいえないけれど・・・・・償ったのだから。
さあ、グラスホッパーとフライングバロンの待つ、田舎の工場へと帰ろう。
ーーこの戦争で、僕達兄弟はほんとうに、人工物ーー特に機械の恐ろしさ、戦争のおろかさ、人との絆の大切さを身を持って学んだのだから。
ーーーーThe End.
1 100,0000
2 800,0000
3 700,0000
GAME OVER!
○あとがき
本当はこれ、公開したくないんだけど、一応公開。
なんとなく、決意しました。
以下、公開したくない理由。
・大好きなウェイン兄弟が、せっかく罪滅ぼしのためにガレッガシリーズに乗って、連邦をつぶしたのに、自分たちが最終的に死ぬバッドエンドで終わったら、私が一番悲しいから。
・そもそも、某ブログさんとこの某童話風に触発されて書いたものだから。(モロに影響受けて恥ずかしい。キャ///)
・ハッピーエンドにしないと、バトライダーにつながらないから。
それとね、人間誰かを愛しているとね、その人の幸福(しあわせ)を願うようになるものなのよ。
だから、
・・・ウェイン兄弟・・・愛してるよ。・・・大好き。(キモ)
ー翼はもうはばたかない~異説・鋼鉄の機心
(なんかタイトーのSTGみたい)
僕たちの猛攻を食らい続けたグロウスクイードの中心部は、地上に落ち始めた。
もう、連邦国家の上層部と総統はこの地球上から消えた。つまり、僕たちの勝利なんだ!
「兄さん!僕たちはやった・・・!・・・ん?・・・兄さん?」
兄さんの返事がない。でも、少しの沈黙の後に声が聞こえた。
「・・・ジェイ、連邦と同じで僕たちも終わりなんだ。・・・おまえの燃料メーターを見てみろ」
僕は、兄さんのいうとおりに燃料メーターを見た。
「え・・・!?」
ゴールデンバットの燃料はもうない。とっくに切れていた。つまり、僕は墜落するしかないんだ。
「・・・兄さん!これって!?」
「僕のシルバーソードも燃料切れ。つまり限界だ。・・・ジェイ。僕らも終わりなんだよ」
「僕たちは長く戦いすぎたのか」
「そうだよ、ジェイ・・・。でも、僕たちは連邦を破壊しただけでも、それだけでもよかったんじゃないか?僕たちが老いるまで生き続ければ、きっと犠牲は今よりずっと多かっただろう。我が弟、ジェイよ。本当にこれでよかったんだ・・・」
兄さんの無線が途切れ途切れになっていく。
まるで、風前の灯火のように。
そして、それに呼応して、シルバーソードの機体が墜ち始める。僕には見えた。雲の下に落ちていく兄さんとシルバーソードが。
「兄さん!兄さん!墜ちないで!お願いだから!」
「ジェイ!・・・泣くな。僕の弟、ついでに男だろ」
僕は、死にゆく兄さんを見て涙がすこしずつ、こぼれ落ちたのを、止められなかった。
連邦で働きながら、兄さんと談笑し、心が明るかった毎日。開発と製造が主の、楽しかったお勤め。
・・・兄さんがいるから、毎日を笑って、楽しく、幸福に暮らせたんだ。
それを僕は、今思い出したのだ。
そして、その瞬間。
ガゴンッ!!機体が大きく重力に従い始め、僕のゴールデンバットも地へと落ち始めた。
僕も兄さんと同じ運命だ。
ゆっくりとゆっくりと、兄さんと同じように僕も地上に帰っていく。
「兄さん・・・。僕、兄さんのこと生まれ変わっても大好き」
「ジェイ・・・・・・。この期におよんで、ありがとう。なあ、ジェイ・・・今度生まれ変わっても、また兄弟でいようなぁ・・・?」
そして、僕たちは地上へと帰還していく。
ー終。
本当はこれ、公開したくないんだけど、一応公開。
なんとなく、決意しました。
以下、公開したくない理由。
・大好きなウェイン兄弟が、せっかく罪滅ぼしのためにガレッガシリーズに乗って、連邦をつぶしたのに、自分たちが最終的に死ぬバッドエンドで終わったら、私が一番悲しいから。
・そもそも、某ブログさんとこの某童話風に触発されて書いたものだから。(モロに影響受けて恥ずかしい。キャ///)
・ハッピーエンドにしないと、バトライダーにつながらないから。
それとね、人間誰かを愛しているとね、その人の幸福(しあわせ)を願うようになるものなのよ。
だから、
・・・ウェイン兄弟・・・愛してるよ。・・・大好き。(キモ)
ー翼はもうはばたかない~異説・鋼鉄の機心
(なんかタイトーのSTGみたい)
僕たちの猛攻を食らい続けたグロウスクイードの中心部は、地上に落ち始めた。
もう、連邦国家の上層部と総統はこの地球上から消えた。つまり、僕たちの勝利なんだ!
「兄さん!僕たちはやった・・・!・・・ん?・・・兄さん?」
兄さんの返事がない。でも、少しの沈黙の後に声が聞こえた。
「・・・ジェイ、連邦と同じで僕たちも終わりなんだ。・・・おまえの燃料メーターを見てみろ」
僕は、兄さんのいうとおりに燃料メーターを見た。
「え・・・!?」
ゴールデンバットの燃料はもうない。とっくに切れていた。つまり、僕は墜落するしかないんだ。
「・・・兄さん!これって!?」
「僕のシルバーソードも燃料切れ。つまり限界だ。・・・ジェイ。僕らも終わりなんだよ」
「僕たちは長く戦いすぎたのか」
「そうだよ、ジェイ・・・。でも、僕たちは連邦を破壊しただけでも、それだけでもよかったんじゃないか?僕たちが老いるまで生き続ければ、きっと犠牲は今よりずっと多かっただろう。我が弟、ジェイよ。本当にこれでよかったんだ・・・」
兄さんの無線が途切れ途切れになっていく。
まるで、風前の灯火のように。
そして、それに呼応して、シルバーソードの機体が墜ち始める。僕には見えた。雲の下に落ちていく兄さんとシルバーソードが。
「兄さん!兄さん!墜ちないで!お願いだから!」
「ジェイ!・・・泣くな。僕の弟、ついでに男だろ」
僕は、死にゆく兄さんを見て涙がすこしずつ、こぼれ落ちたのを、止められなかった。
連邦で働きながら、兄さんと談笑し、心が明るかった毎日。開発と製造が主の、楽しかったお勤め。
・・・兄さんがいるから、毎日を笑って、楽しく、幸福に暮らせたんだ。
それを僕は、今思い出したのだ。
そして、その瞬間。
ガゴンッ!!機体が大きく重力に従い始め、僕のゴールデンバットも地へと落ち始めた。
僕も兄さんと同じ運命だ。
ゆっくりとゆっくりと、兄さんと同じように僕も地上に帰っていく。
「兄さん・・・。僕、兄さんのこと生まれ変わっても大好き」
「ジェイ・・・・・・。この期におよんで、ありがとう。なあ、ジェイ・・・今度生まれ変わっても、また兄弟でいようなぁ・・・?」
そして、僕たちは地上へと帰還していく。
ー終。