…硬派()な短編集です(説明)。

鬼滅の刃 冨岡義勇 時透無一郎 胡蝶しのぶ 玉壺

※始めに※

・話暗いです。

・原作並みのグロさです。

・義勇が鬼を拷問したりします。

・無一郎君に冷たい所があります。

・オリ霞の呼吸技、戦場死、安楽死ネタ注意です。

…では、どうぞ。

—ワシら神様と違うねん 万能でないだけ鬼にもならなアカン…

—トライガン マキシマム ニコラス・ウルフウッド

——‥…弱虫はおまえの方だウルフウッド なんでもかんでも あっさり見限ってる

——そんな辛そうな目をして何いってんだ 裏切られるのがそんなに怖いのか

おまえ… 以前いったよな 僕の笑い方はカラッポだって… でも 僕からすると今のおまえは… 心が悲鳴をあげているくせに無理矢理 鬼になってる そんな風に見えるぜ

—トライガン マキシマム ヴァッシュ・ザ・スタンピード


[chapter:鬼を殺す為に鬼になる〜Officer of Touture.]

——しゃあないやろ 誰かが牙にならんと誰かが泣く事になるんや…

——トライガン マキシマム ニコラス・D・ウルフウッド

—俺は水柱になっていい人間じゃない

—鬼滅の刃 冨岡義勇

…あの時、炭治郎は、俺を頭突きで突き飛ばした。

「…如何してですか?…相手が、如何か、一思いに、一太刀で首を切ってくれと言って居るのに……。」

…実は、よく覚えて居ない。俺は、其の事を。

…。

—忘れるな胡蝶 俺達は"柱"だ

—鬼滅の刃 義勇外伝より

…其れは、義勇が、茶屋で休んで居る時の事であった。

「…すいません、何時もの奴を。」

…其の時、同じく、丁度、義勇と同じ茶屋で休んで居た、現在、非番のしのぶが、声を掛けて来た。

「…あら、御久し振りですね。冨岡さん。…顔付きからして、何か、御悩みがあるみたいですね。…相談に乗りますよ?」

…其処で、素直に、何も臆する事無く、いつも通りに、義勇は辿々しくしのぶに訊く。

「…何か、水柱として特別な事を……出来ればと……、」

「……。」

…其の言葉を聞いた、しのぶは、あの『北の雪山』での事を思い出して居た。

—忘れるな胡蝶 俺達は"柱"だ

「…すまない……。」

(…ねぇ、…冨岡さん、あの発言は、一体、何だったの……?)

…更に、(…此れだから、冨岡さんは……)と、其んな義勇の事を、色々と思いやりながら、しのぶは溜息を吐く。…そして、其れから、義勇の為にも、割りかしきっちり目に、アドバイスをする。

「…其うですね。…鬼を尋問して、情報を得ると言うのは如何ですか?」

「……鬼を、尋問……?」

「…知ら無いんですか?…冨岡さん、御館様の許可が有れば……、」

—…鬼を尋問して良いんですよ?

…其の目は、義勇にも見えて居た。…其の時の、しのぶは、一見優しさに満ちて居る様で、其の実、とても、冷酷な目付きをして居た。

…。

—御館様の許可があれば、鬼を尋問して良いんですよ……?

…其れから、暫く、悩みに悩み抜いた後、蟲柱—胡蝶しのぶから聞いた、其の言葉を免罪符に、義勇は、鬼への拷問業をする事を決行する。

…其れは、柱合会議後の事であった。

「…御館様、頼みがあります。」

「…何だい?義勇。」

「…俺にも、胡蝶と同じ様に、鬼への尋問を許可して下さい。」

…すると、耀哉は少し、憂鬱そうな顔をして、義勇を見つめる。

「…嗚呼、…大丈夫だ。…許可するよ。…でも、良いんだね?…義勇。…しのぶも其うだけど、尋問係は、茨の道だよ。…途中で降りても構わないよ。尋問係を。」

「…いいえ。…此方こそ、大丈夫です。…本当に、許可を下さって、感謝します。御館様。…では、此れで。」

…そして、義勇は、鬼への尋問許可の旨を書いた書を貰い、産屋敷邸を去って行く。

…それから、義勇が帰った後、

「…此れも、…あの、鬼舞辻無惨に勝つ為には、仕方無い事だ……。」

…と言いながら、耀哉は、割と、遠い位置にある屋敷の窓から、呆然と遠くを見て居た。

…。

…其の夜、義勇は、上弦でも下弦でも無いが、可也強い—軍隊で言えば中尉(幼年学校・士官学校卒)程度の—鬼を追い詰めた。…何にしろ、美味しい獲物だった。

「…如何やら、全くと言って良い程、栄養が足りて居ない様だな。討伐が楽で助かった。」

…其処で其の鬼が、懇願する。

「…すまねぇ。此の俺も、鬼となるしか生きる手段の無かった身、…如何か、一思いに、一太刀で首を切ってくれ。」

「…莫迦か?…誰が其んな頼みを聞く?…しかし、実に好都合だ。」

「…い、一体、此れから何を……?」

「…さて、お前は、何人殺した?何人食った?」

—…別に良いんだ。御館様の許可は取ってある。

「…はっ、8人。」

「…鯖を読むな。…15回斬ってやる。」

…そして、義勇は、再生能力が著しく低下して居る其の鬼へと、嬲る様に斬撃を喰らわせる。

「…や、やめて……、」

「…さっさと、情報を吐かなければ、もっと御前を斬る。…良いのか?…藤から作った毒もあるぞ。苦しみたくなければ、さっさと、仲間の居場所と、御前達の拠点がある場所を言え。」

…其の一瞬、其の鬼へと、水の呼吸技が飛んでくる。

—水の呼吸 伍ノ型 干天の慈雨

…其の一撃で、其の鬼を倒した後、炭治郎は義勇に頭突きを食らわせ、そして、此う義勇に毅然とした態度で訊いた。

「…如何してですか、冨岡さん。」

「…炭治郎。…何故、邪魔をする?」

「…如何してですか?…相手が、如何か、一思いに、一太刀で首を斬ってくれ。…と言って居るのに……。」

…折角、一番良い時に邪魔が入ったので、冨岡がドスの効いた声で、一旦体勢を立て直した後、炭治郎を脅す。

「…良い加減にしろ。…誰が其んな頼みを聞くか?…俺に、鬼の生殺与奪の権を握らせろ。…だから、…何故、邪魔をする?」

「…其んな事、何の為にも為らないですよ。幾ら、御館様の御墨付きを得てるからって。」

「…炭治郎。…御前に、何が、分かる?」

…義勇による、其の言葉を聞いた炭治郎は、物凄く悲しい目をして、義勇を見た。

「…分かりますよ。…其の鬼は、元々、昔、俺の父と母が、生活苦で喘いで居る時に、大変、御世話になった人なんです。」

…其れでも、義勇は、呆れて言い返す。

「…だから、如何した?…今迄以上に、情にでも絆されたか?」

…すると、炭治郎は、今迄に無く、冷たく、義勇に言う。

「…何て酷い。…冨岡さんが、其んな人だとは思って居ませんでした。」

…其の時に、義勇は一気に我に帰った、…だが、

「…炭治郎、莫迦な事をするな。鬼狩り執行妨害だぞ?!」

…と、義勇は、丁度、『あの時』の様に、凄むが、

「…じゃあ、冨岡さんは、鱗滝さんが鬼になった時、其う言う事出来ますか?」

…されど、炭治郎も炭治郎で、譲らない。

「……。…まぁ良い。…炭治郎の所為で、何も聞き出せなかった。」

…其の後、炭治郎を尻目に、バツの悪そうに義勇は帰って行った。

…。

…俺は、此れで良いんだ。

…其う、自分に言い聞かせる。

…そして、此れも、水柱である為には、無惨を倒す為には、仕方無い事なんだ……。…と。同じく。

…今日も今日とて、鬼に拷問を行う。

「…御前が、上弦の鬼について知っている事を、少しでも良い、吐け。」

——

「…冨岡さん。…鬼を尋問する時は、『鬼舞辻無惨』の名前だけは、吐かせない様に。…如何やら、全ての鬼は、此の様な事態—私達による尋問—を想定して居て、無惨の名を出せば、其の途端に、其の鬼の口から、大きな手が出て来て、其の鬼の体を粉砕し、『自沈』処理する様に、無惨の手によって、仕組まれて居るんです。」

——

…拷問役を始めた頃、胡蝶から言われた事を、思い出す。

…『兎に角、無惨の名を尋問相手に吐かせては駄目』。…其れを、俺は遵守して居るつもりだ。

…さて、時には、胡蝶から支給された毒を使いながら、拷問して、鬼から得た情報を、即座に、鉛筆で鉛筆に適した紙に記して行く。

…俺以外の柱が捕獲して来た奴も其うだが、最終選別用に生捕りにした鬼を、例の『最終選別会場』に閉じ込める前に、予め、情報を吐き出させて置く事もあった。余談だが、同じ事は胡蝶もして居る。

…そして、俺が鬼を拷問したり、吐き出させたりして、集めた情報は、夜が明ける度に、寛三郎とは、違う鎹鴉に、御館様へと、伝書鳩の様に、情報を運んで貰う。

…しかし、あの寛三郎の事で、…此んな事もあった。

「…すまない。今回もすまない。…此れが、今回の尋問で得られた情報だ。如何か、御館様に届けてくれ。」

…俺が、伝書専門の鎹鴉に伝書の仕事を頼んで居ると、寛三郎が、はっきり言って、邪魔なのに、其れでも、出て来て、

「…義勇ヨ……、」

「…如何した?寛三郎。」

「…ナンジャ……義勇ヨ……水臭イノォ……水柱ダケニ……ワシガ御館様ヘ届ケル……、」

「…おい、待てェ!!」

…此れに似た事が、割とあって、俺は、其の度に困って居る。

…。

…其れから、義勇は御館様による許可の下、多くの鬼に対して、幾度も尋問を行い、遂には、『拷問柱』と揶揄され始めた。

「…はぁ?!!冨岡の奴、巷で『拷問柱』とか呼ばれてんのかァ!!…こりゃ、傑作だぜェ!!…凄ぇ!!…彼奴の、根が陰湿だからこそならではだぜェ!!」

…等と巷の噂を聞き、元気良く笑い飛ばす不死川に、

「…其う言う、御前の根も陰湿だろ。…不死川、御前も、いっその事、御館様に、尋問許可を下さいと頼み込んだら如何だ?…今なら、『第二の拷問柱』になれるぞ。」

…と伊黒。

「…アァ!?…其う言うテメーも根は陰湿だろ!!伊黒ォ!!テメーもテメーで頼み込んで来い!!…テメーの方が俺より適任だよ!!『第二の拷問柱』に!!」

「…平気で減らず口を!!良い加減にしろ!!不死川!!…と思ったが、御前に取り合うのを此処で切り上げておこう。」

「…おいィ!待てェ!!」

…いきなり冷める伊黒に対し、一方的に殴り掛かって来る不死川。

「…阿保くさ。」

…其処で、通りすがりの無一郎がボソッと言う。

「…いかんぞ!!二人とも!!喧嘩は!!」

…そして、悲鳴嶼さんが、不死川と伊黒、両者の仲裁(…とは言っても、伊黒は不死川から器用に逃げてるだけ)に入る。

「……。」

…実は、遠くから、其れを見て居た義勇。

…。

…前に、炭治郎と居る時、俺は話した事がある。

「…水の呼吸の使い手は、皆、優しいんだ……。錆兎も真菰もそうだった。…だが、俺は情けないだけだ。」

…すると、彼は、何時もの調子で、此う言う。

「…其んな事無いです。…冨岡さんだってちゃんと、優しいですよ。…だって、本当に情けない人は、誰かの為に身を挺したり、自分から犠牲になろうとは考えないでしょ?」

…、

…、

…姉さん、錆兎、真菰……、…俺は……もう……駄目だ。

…正直、俺は、『拷問役』に向いていない。

…拷問は、する方もされる方も、心をやられる。

…。

…其れから、義勇が仮眠をとって居る時、二人は、義勇の夢の中に現れる。

「…義勇!…無理しないで!!…寧ろ、義勇の方が鬼みたいになってるよ……。」

「…此れが御前の望んだ、『報復戦争』と言う奴なんだな。正しい暴力も過ぎれば、悪なんだぞ。」

…如何やら、真菰も錆兎も、『鬼への拷問』には、反対の様だった。

…。

…眠りと其の夢が覚めた直後、余りの、不甲斐無さと申し訳無さに、義勇は泣いた。

「…矢っ張り、俺は、水柱の地位に溺れて居たからこそ、水柱じゃ無いんだ……。」

…やがて、義勇は、律儀に、尋問許可証を御館様に返上し、鬼への尋問行為をぴたりと辞めた。

…そして、事ある事に「俺は水柱じゃない」と周囲に言うようになった。

…。

…蝶屋敷に上がって来た、カナヲがしのぶに情報を齎す。

「…師範。…水柱様が、『尋問役』から降りると聞きました。」

「…ええ、其れは、私も知っています。…でも、私は、降りませんよ。尋問役を続けます。…と言うか、何故か、私は『拷問柱』と呼ばれませんね。皆さん、私に忖度し過ぎですよ。…真の『拷問柱』は……私なのに……。」

…其う言いながら、下に俯く、しのぶの為に、何か声を掛けようとしても、良い言葉が出なくて、何時迄も声を掛けられず、しのぶと目を合わせられず、しのぶと同じ様に、俯き、黙り、只々、震えるカナヲ。

「……。…師範……、……私、何を言えば良いのか……、…御免なさい……。」

…其れを見たしのぶは、心温かく、其の様なカナヲの手を取る。

「…此処はね、無理に声を掛けなくて良いのよ、カナヲ。…カナヲだって辛いのに……、…心配掛けさせて、本当に御免なさい。」

「…こ、此んな私の為に……、…ほ、本当に、此方こそ、…すみません……、…師範。」

…。

…其の後、カナヲが任務の為に、蝶屋敷を去った後、しのぶは、蝶屋敷にある仏壇に手を合わせ、姉を偲んで居た。

「…姉さん、本当は、私だって、此んな事したく無いの。…如何か、許して下さい……。…嗚呼、でも、駄目だ。いけない。…感情を制御出来ないのは、未熟者!…未熟者なんだ!!」

…其れでも、しのぶの顔は、鬼への怒りと憎しみで、徐々に歪んで行く……。

…。

[chapter:死に行く義勇]

…あの『鬼舞辻無惨』との戦いが終わって、暫く経つ。

…あれから、俺は燃え尽き、ほぼ何もやらない無気力な人生の中、日々を過ごして居る。

…さて、あの後、鬼殺隊の元男子隊士達が、こぞって帝国陸海軍に入ったと聞いた。

…純粋に、食い扶持の為では無く、『護国』の為だろう。或いは、自分の能力を活かしたかったのだろうか。……何れにしろ、虚しい事だ。

…更には、其れとは、他の分野で、海外で、活躍した者も居ると聞く。

…兎に角、性格と言う物がある限り、又、人は同じ事を反復して行くのだろう。

…しかし、此の俺は、鬼への尋問を含む『鬼退治』しか出来ずに、死んで行くのか。

…。

…其の後、義勇の精神状態は良くなり、久々に、鱗滝に会いに行った。

…当然だが、鱗滝は、大層喜んだ。

「…義勇よ!来たのか!!…しかし、良かったのか?…此れも、全部、儂の方から、会いに行けば全部済む事だろうに……。」

「…大丈夫です。…未だ、動けます。」

…だが、息は上がって居る。盛んに鬼狩りの為に、過労死寸前迄も活動して居た時期が、まるで夢であるかの様に。体力が底を尽き始めて居る。

「…義勇、…無理をするな。」

「…分かって居ます。…十分に承知です。…ですが、鱗滝さん。…俺も、もう、寿命が長く無いから、単刀直入に言いますね。…如何か、後世に伝えて置いて欲しい。…鬼殺隊は暴力装置なのだと。…暴力と憎しみが更に暴力と憎しみを呼び、暴力は何も生み出せない。結局の所は。…と。」

…義勇は、自らが誇りとして居た鬼殺隊を否定し始めて居た。

「……。」

…鱗滝は終始無言であった。

…。

——私はね優しい男が嫌いよ すぐ死んじゃうから ”あの男”もそうだったわね とっとと早死にしたんじゃないかしら?

——トライガン マキシマム エレンディラ・ザ・クリムゾンネイル

…。

…あれから、鬼殺隊の事を、過去から消し去る様に、義勇は、振る舞った。

…兎に角、今迄に無い迄に、明るい人生を、…と言う事で、鬼殺隊とは無関係の人々と関わる様にした。

…しかし、炭治郎達の事は忘れなかったし、今迄通りの関係を保った。

…更には、女も子供も出来て、普通なら、順風満帆と言える人生だった。…だが、痣の後遺症は待って呉れない。

…死が近付いて来た。

…其の数日前から、義勇は寝床から起きられなかった。何も食えず、飲めず、やつれ、衰弱して行く。

「…最後に、子供の顔を見れただけ、良しとしなければ……。」

…其うは言うものの、義勇には、未だ、人生に悔いが、沢山、ある。

—…恐ろしい。…俺は、死の底に沈んでいく……。

…義勇の意識が、完全に死に沈もうとして行く、其の時、蔦子姉さんと錆兎と真菰の幻影が、義勇の前に現れる。

「…義勇。…今迄、ずっと、御疲れ様……。」

「…姉さん……。」

「…痣の後遺症から、もうすぐ解放されそうだな、義勇。…お前も……。」

「…義勇。…心配しないで。…皆、待ってるよ。」

「……。…嗚呼、黄泉で会おう。」

…黄泉で会おう。ヴァルハラや靖国で会う様に。

…其の直後、冨岡義勇の訃報が、すぐ様、元鎹鴉である鴉達の働きによって、齎された。

…。

[chapter:玉壺謹製自走壺〜Japanese Neanderthal Tanks.]

(※…元々は『鬼滅のナイフ』用に考えていた物で、故に原作と展開が可也違う)

「…あー良かった。足手纏いが逃げてくれて。」

…小鉄の安全を十分に確保した後、毒舌を吐く無一郎。

…そして、正々堂々と玉壺と合見える。

「…ぬぬっ……、何だ、此の莫迦餓鬼……割に強い……だが、慢心はせぬ……。…と言う訳で、此処は一旦、芸術博覧会と行こう!!」

「…何言ってんだろう、…此の阿保鬼は?」

…其んな無一郎の独り言をシカトする様に、玉壺鶴の一声で、何やら、一人でに走る壺が、超高速の速さで、何個も無一郎の前に現れた。

「…おい!!此の莫迦餓鬼!!見るが良い!…此れぞ!私謹製!自走壺!…正に芸術!!素晴らしい芸術!!つい先程迄散々里を荒らして来た、私のやや最高傑作!」

「…此れが芸術?…へぇ?…随分、芸術を莫迦にして居るんだね。」

…だが、無一郎は容赦が無い。

「…ギョッ……?!」

…一瞬、ギョッとして固まる玉壺。…そして、怒りの余り、無一郎の方をギョギョっと身睨み付ける。

「…だって、自走壺は芸術品としての壺じゃなくて兵器なんでしょ?…兵器はどれも、大量生産品だし、実用一辺倒でしょ?…芸術と兼ね合わそうなんて考えないよ、普通は。」

…無一郎の言う事は、ある程度正しい。…だが、

「…言わせて見れば……!!…キィイイイィイイイ!!!…未だ、分からんのか?!此の莫迦餓鬼ィッ!…自走壺は芸術であり兵器なのだ!!!!」

「…莫迦は御前だよ。…『殺戮の道具が芸術たり得る』と思うとか。」

…刀に銃、其れに、戦車、航空機、軍艦等近代兵器の類は、全て、殺戮、殺しの道具だが、『其れでも、芸術品として評価されて居るケースが多々ある』事は、無一郎君の為にも、黙って居て上げよう。

「…まぁ、良い!…取り敢ずよく見ろ!此の素晴らしい高性能振りを表現する、真心込めて作った我が謹製の造形を!」

「…性能の良さと造形の良さは、御互いに関係無いし、比例しないと思うんだけど。」

…実は、其うでも無いんだよな。

…さてはて、やがて、自走壺は、一斉に無一郎を襲い出した。

…編隊を組んだ見事な立ち回り。…其れでも、無一郎は、霞の呼吸無しでも華麗に避け切って見せる。…如何やら、無一郎には、自走壺編隊の動きが大方ながら分かるらしい。

「…なぬぅ……?!…此の莫迦餓鬼……?!…何故、動きが分かる……?!」

「…何だか、棘やら鱗が出て来て飛んで来るんだなぁ……。」

(…隊長格の動きが単調だと、後続のも単調になる。…分かりやすい……。)

…天才故の才覚。…実際に、玉壺は隊長格の自走壺を指揮車とし、其れ偏重で運用して居た。…玉壺が、もっと複雑な運用方法にして居たならば、無一郎も見切るのに苦労したかもしれない。

ーー霞の呼吸 肆ノ型改 七七式移流斬り

…自走壺編隊が一列になった其の瞬間、スライディングしながら、『反航戦』の如く対峙した後に、一気に『狩り取る』。…かくして、瞬く間に、自走壺編隊は、一網打尽にされた。

「…キィイ!…自走壺隊が……!!」

「…さぁ、如何するの?」

…何時にもまして、得意気な無一郎。

(…いいや!未だ手はある!)

…其の後、玉壺は、『水獄鉢』を繰り出し……(※此処からは原作通り)。

…。

[chapter:黄泉で会おう〜Yasukuni,Valhalla.]

※(Twitterで呟いて其処から引用した)元文

…本当に酷い怪我を負った「如何か安楽死させてくれ」と言う隊士に蟲柱が言う。「…仕方有りませんね。此んな時もあろうかと、貴方の様な隊士を冥土に導く、其の為の毒薬があるんです。」其の後、蟲柱は、其の息絶え絶えの隊士に、其の毒薬を与え、其の侭静かに、如何か安らかに眠れる様にと祈った。

…。

…それは、夜が明ける直前の事。

(…何と言う激戦……、…でも、…御覧の有り様ね……。)

…しのぶが派遣された時には、もう勝敗は決して居た。

…今回の敵は、下弦に匹敵する強さを持った鬼であった。

…其の後、其の鬼は、何とか、『蛇柱』の手により、討伐されたのであるが、其の代わりに、鬼殺隊は、甚大な犠牲者を出した。

…なので、今回、しのぶは、衛生隊士長或いは高級医官として、其の戦場に派遣された。…人手と人数はあれど、『衛生兵』としては、余り、訓練のされて居ない、隠だけでは、手に負えなかったのである。

…其れから、隠と、協力しながら、死亡者の遺体を回収、其れと同じ様に、戦傷者の応急手当てをし、生存者を救出する。

…そして、暫く、仕事が進んだ後に、しのぶは、其処で、生存者の隊士を見つける。

「…大丈夫ですよ。…隠の人達が、もうすぐ来ますから。」

…すると、其の隊士は、此う言った。

「…いいえ、自分はもう持ちません。…殺して下さい。…胡蝶様、…安楽死用の毒、持ってますよね……?」

「…如何してですか?…何故、其の様な事を……?」

「…俺の、足の方を見て下さい。」

…すぐ様、しのぶは確認しに行く。…そして、彼女が其処で見た物は、

(…何て事なのだろう。…下半身が鬼に食われている……。)

…しのぶは、百戦錬磨の甲隊員、しかも、其の中でも頂点の地位にある柱—蟲柱にも関わらず、複雑な感情—虚無感と悲しみと憎しみと怒りと激しい嫌悪感に震えた。

…鬼討伐の際に、隊士が鬼に食われる事はよくある。よくある事なんだ。…だが、如何しても、此の感覚だけは、何時迄も経っても、慣れない。…いや、此んな感覚に、慣れたく無い。

「…だから、……すみません。」

「……。」

…少しだけ黙った後、しのぶは深呼吸して、大方、精神統一してから、行動に移る。

「…す、すみません。…ほ、…本当に、すみません。…嗚呼、痛い……。…早く……。」

「…では、御注射しますね。毒を。」

…そして、しのぶは、自前の『野戦衛生隊士キット』から、隊員を安楽死させる為用の毒と注射を取り出し、其の注射器に注射針を付けた後、毒を注射器の中に溜め、そして、手際良く、其の安楽死希望の隊士に注射した。

「…嗚呼、…本当に、有難う御座います。胡蝶様。…御陰で楽になれます。」

…其の時、しのぶは、淑女的に、静かに泣いて居た。…仕方が無い、本人の意思に従っている物とは言え、事実上の味方殺しである。

「…すみません。…一つ、頼みたい事があります。此の後、天国に着きましたら、先に戦死した、私の姉さんと継子達に、私の事を御伝え下さい。あの頃の様に、何時もの様に、元気ですと。…どうか、宜しくお願いします。」

「…ええ、分かりました。…では、おやすみなさい。胡蝶様。」

「…おやすみなさい。」

…しのぶは、又、仲間の死を見届けた。

…此の後、其の暗く重い空気に、耐え切れず、しのぶは、其の場を、淡々と去った。

…。

[chapter:あとがき]

…本作の、御読了、誠に、有難う御座いました。

…此の調子で『鬼滅のナイフ(※Rev.19XXも)』も御願いします。…如何しようも無い奴が主役の、如何しようも無い話ですが。…ですが、其の前に、ストVやりましょう。ストVは、ストIVよりも、ずっと遊び易くて、やり込み易いですから。

…それでは。

…。

…『Officer of Touture』は『拷問将校』と訳す。

…。

「…俺達はトンデモない勘違いをしていたのかもしれない……。」

「…どう言う事だキ○ヤシ?!」

「…つまり、縁壱=太陽と一体化せし者=イエス・キリストなんだよ!」

「な、なんだってーーーーー!!!!」

…。